FEATURE

ふくおか経済EX 2013

キミヱコーポレーション㈱


RC造を積極着工、一貫フォロー強みの資産運用パートナー

2003年の設立から着実に着工件数を増やす投資用アパート建設・販売のキミヱコーポレーション㈱。これまで主力だった木造建て以外にも、RC造マンションの建設に注力し始め、企業の脱皮を図っている。

博多駅南3丁目にRC造9階建て賃貸マンション

JR博多シティ開業から2年、博多駅周辺のマンション・アパートの入居率は非常に高い数値で推移している。そんな中、キミヱコーポレーションでは博多駅南3丁目にRC造9階建て賃貸マンションを建設。5月に工事を着工、来年3月末の完成を目指している。
同マンションの総戸数は14戸。1LDK、2LDK 各部屋はすべて角部屋となっており、単身者・ファミリー層をターゲットに充実した設備を取りそろえた。「現在、博多駅周辺で良い物件を探すのは難しい。デザイナーズマンションは需要が高いはず」と自信を見せる同社の田中社長。
博多駅周辺を含む福岡中心部ではマンション建設が相次ぎ、各社がこぞって新築物件を供給している。一方で、大型マンションを建設するだけの土地が中心部には不足しており、「当社が手がける小・中規模の物件であれば、まだまだ供給が可能。現在の時流を逃すことなく投資できる」と田中社長は分析する。
同社では昨年3月に福岡市鳥飼1丁目に7階建ての投資マンション「ヴェラーレ大濠公園」を建設。また、来年春入居開始を目指し、同市中央区平尾に9階建て、24戸の新築RC造物件を建設しており、「今後は主力の木造以外にもRC造の建設を積極的に手がけていきたい」と田中社長は展望を語る。

毎年7月にはプロアマ混合のゴルフトーナメント「キミヱコーポレーションカップ」を開催

土地選定から完成後メンテナンスまでを一貫フォロー

同社は03年に設立。福岡市や北九州市などで、これまでに投資用アパートや分譲アパートを66棟582戸(2013年3月末現在)手がけてきた。設立当時、ワンルームマンションが業界の主流だったが、同社では1LDKや2DKなどファミリー層にも対応した広めの物件を中心に建設・販売。田中社長は「当時からワンルームの飽和状態を予測し、広めの間取りに着目してきた」と、その背景を説明する。
現在、クライアントの95%が年収500万〜800万円の30〜40代サラリーマン。一般的なアパート経営は、所有している土地に上物を建てるイメージだが、同社では“土地から購入するアパート経営”を提案し、少ない自己資金でも投資可能なサポート体制を構築している。
土地がなくてもアパート経営ができるように、同社が土地の選定から、周辺エリアの市場調査を行い、資金調達、ローン手続きを代行。完成後の入居者募集、家賃の微収、メンテナンスや入退去時のフォローなど、一貫してキミヱコーポレーションがサポートすることで、オーナーからの熱い信頼を獲得している。
また、ほとんどの物件が“自社施行”であるのも特徴で、大量仕入れで商材の価格を抑えるとともにコスト管理を徹底し、低価格帯の物件を提供。「オーナーさんに満足していただけるよう、価格・サービスは全社一丸で取り組んでいる」と田中社長は力強く語る。

高専賃など新規事業にも積極参入

一方で、国内人口の減少、高齢者層の増加による新規住宅着工数の低下は業界全体の課題である。
そうした将来を見据え、同社では早稲田大学佐賀中学・高校が拠点を置く佐賀県唐津市で学生寮と高専賃の建設を計画。唐津城に近く、玄界灘を望む好立地に両物件の建設を検討している。
「新規事業は事業拡大という意味合いだけでなく、オーナーさんへの提案に幅が広がることにつながる。少数精鋭の“資産運用コンサルタント”集団として、今後も有益な資産形成のお手伝いをしたい」と田中社長は力を込めた。

田中 勝也(たなか・かつや)社長
北九州市若松区出身。1964年4月21日生まれの48歳。県立東筑高校―早稲田大学卒。家では5人の子供を持つ良き父親でもある。趣味はゴルフ

〈企業DATA〉
所在地 〒812-0013 福岡市博多区博多駅東3-13-21エフビルウィング7階
TEL 092-432-3477
FAX 092-432-3478
URL http://www.kimie.jp/
設立 2003年7月
資本金 1,000万円
事業内容 投資用アパートの建設・販売
年商 8億円
代表者 田中勝也
従業員 8人

(ふくおか経済EX2013年)