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イフジ産業
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藤井 徳夫
イフジ産業㈱ 社長
ふじい・とくお/1941年2月13日生まれの66歳。中国、天津生まれ。九州大学法学部卒業直前に父親が急死、卒業後は家業の養鶏場を継承する。養鶏場から液卵加工業への転換を進め1972年10月に同社を設立、以降積極的なM&Aなどにより全国展開を推進する。2001年にはジャスダック市場(現ジャスダック証券取引所)に株式上場。趣味は読書
「浮利を追わず」の精神で独立系最大手の使命を全う
前期決算では、売上高が前期比4.3%増の92億円となり、過去最高をマークしたイフジ産業。販路拡大を着実に進め、販売数量も同6.8%増と伸ばした。一方、利益面では鳥インフルエンザの国内発生以降、厳しい状況が続く。前期は鳥インフルエンザの再発懸念に加え、バイオ燃料需要増の影響からトウモロコシ価格が高騰し配合飼料価格が上昇。「当社に直接影響はないが、コスト高は生産農家の経営を圧迫し、鶏卵市場は価格、量とも不安定な状況が続いた。ただ、当社の販売数量は着実に伸びて続けているし、厳しい経営環境も改善に向かっている」と藤井社長は愁眉を開く。「得意先に迷惑はかけられない」と、採算を度外視してでも商品供給に努めてきた状況にもようやく終止符を打てそうだ。
また、加工品では「茶わん蒸しベース」が大手回転寿司の全国チェーンの受注を引き金に好調に推移。昨年は、関西工場に「ミニパック充てんライン」を新設し増産体制を整えた。全体に占める割合はまだ小さいが、成長株として期待が高まる。
厳しい経営環境下でも、経営理念の「浮利を追わず」の精神で、独立系最大手メーカーとしての使命を全うしてきた同社。粕屋郡宇美町には工場用地を取得し、将来の新工場建設に向け動き出した。規模や時期など詳細は未定だが、「より安全・安心な商品を安定供給できる体制を目指す」と決意も新たに動き出した。
DATA
所在地/粕屋郡粕屋町大字戸原200-1
TEL/092-938-4561
設立/1972(昭和47)年10月
資本金/4億5,585万円
従業員数/88人
事業内容/液卵及び卵加工食品の製造・販売
売上高/92億6,992万円(07年3月期)
工場/本社、茨城県水戸市、愛知県安城市、京都府綴喜郡井手町
(ふくおか経済2007年11月号FACE)