FEATURE

TheFace2007

アキラ水産


安部 泰宏

㈱アキラ水産 社長

あべ・やすひろ/福岡市中央区出身。1939年3月29日生まれの68歳。福岡大学付属大濠高校卒。趣味はゴルフ。全国水産物卸組合連合会副会長。九州地区水産物卸組合連合会会長。福岡市鮮魚仲卸協同組合理事長、福岡商工会議所議員など、地場経済界に広く交流を持ち、04年7月から福岡城西ロータリークラブ会長を務め、05年4月に藍綬褒章を受章した。福岡ソフトバンクホークス・斉藤和巳投手の後援会長も務める

顧客第一の“明(アキラ)”の遺志継ぎ、年商100億円へ

「常に自己反省の繰り返し—」。
37期連続増収を続ける九州トップの鮮魚仲卸・㈱アキラ水産の安部社長が、 “強さ”の源について語る。
「感謝の気持ちを忘れてはダメ。襟を正して会社の質、従業員の質、安心・安全を追求し、お客様から求められる会社にならなければ」。
昨年、九州で業界初となるISO9001を認証取得した。今年からは、鮮魚市場内にパッキングの3次加工までを手掛ける専用工場を設け、加工業に本格参入。現在、加工食品の製造・販売までの体制作りを進行中だ。市場環境が厳しい中、これら業界内外への新たな仕掛けが成長をけん引する。関連会社として2社が加わり、グループ4社で年商は80億円強。近く100億円を目指す。
同社の創業は大正中期、現在の「柳橋連合市場」の前身、「明市場」だ。興したのは安部社長の祖父・栄次郎氏と伯父の明氏、父の篤助氏。市場は良い品を安く提供し、庶民に喜ばれることをモットーに大盛況。後に、青果や呉服までそろえる「明百貨店」へと発展していった。
そんな庶民の目線の“明”の商売を、安部社長は受け継ぐ。最近は、若年層の魚離れを危惧し、魚食の普及にも尽力している。
「人生、ずっと走り続けている。じっとしているのが嫌いだから」。
博多の水産の礎を築いてきたDNAが、さらなる展開を見据えている。

DATA
所在地/福岡市中央区長浜3-11-3-711
TEL/092-711-6601
創業/1918年(大正7年)
設立/1960年4月
資本金/2000万円
事業内容/(福岡市中央卸売市場)鮮魚仲卸全般
従業員/86人
年商/55億円(単体)
関連会社/㈱コウトク水産、㈱味飯、㈱一心

http://akirasuisan.com

(ふくおか経済2007年11月号FACE)