第一交通産業㈱

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田中 亮一郎

第一交通産業㈱ 社長

たなか・りょういちろう／東京都出身、1959年4月4日生まれの53歳、青山学院大学経済学部卒。82年4月全国朝日放送に入社。85年7月第一交通産業㈱非常勤取締役に。96年5月副社長を経て、97年2月から代表取締役副社長。2001年6月社長。2010年12月北九州商工会議所副会頭に就任。趣味はゴルフと中学時代から続けているテニス

先を見据えた戦略が各事業で結実

タクシー事業では需給調整で減休車を進めながらも、９０％超の高稼働率を維持。リーマンショック後に積極雇用した乗務員がその原動力となっている。今春からは高卒の新卒者を採用。普通免許取得から自前で育て上げ、将来の高齢化を見据え布石を打つ。また、ＪＲ九州と連携した交通系カードを含めた決済端末の利用額は月４千万円を超え「利便性向上のために始めたが、新規需要にもつながっている」と言う。さらに今秋からは首都圏でＪＲ東日本と組んで｢Ｓｕｉｃａ｣の決済サービスも始め、相互利用の交通系カードや携帯ｉＤの利用者も取り込む。
不動産事業では駅前好立地のマンション新規供給が好調に推移。前期売上高約３０億円を計上した戸建ての第一ホームも存在感を増す。｢関西地区のタクシー台数が九州に追いつくほどに増え基盤が整った｣と大阪に拠点を置き、関西でも不動産展開に乗り出す。
沖縄事業は百億円規模に成長。那覇のバスターミナルでは地権者として再開発にも参画する。ミャンマーでは自動車整備工場を立ち上げる。来春稼働に向け、研修生の受け入れも開始。現地仏教会との思わぬ縁もあり急展開を見せ｢公用車整備や送迎サービスの話も出ている｣とタクシー事業も遠い夢ではない。先を見据えた戦略が各事業で次々に実を結んでいる。

ＤＡＴＡ
所在地／〒802-8515北九州市小倉北区馬借2-6-8
TEL／093511-8811
創業／1960年6月
設立／1964年9月
資本金／20億2,755万円
事業内容／タクシー事業、バス事業、不動産分譲・賃貸、金融事業ほか
グループ従業員／約15,000人（臨時従業員数含む）
売上高／約834億円（12年3月期連結）
関連会社／那覇バス㈱、㈱琉球バス交通、㈱第一ゼネラルサービスなど135社
www.daiichi-koutsu.co.jp

（ふくおか経済 2012年11月号FACE）