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ドライバー第一主義
業界課題に堅実経営で対応

一般貨物や食品輸送、資源運搬輸送に加え、倉庫事業、鉱物開発など5社で構成する同社。中核の運送事業は、県外拠点の拡張や幹線輸送に対応し輸送網を拡大。また、本社隣接地を整備して倉庫業を広げるなど総合物流業として事業を確立する。人手不足という業界課題に労働環境整を進め真摯に向き合う。

関東地区で運送網確立へ

一般貨物、食品特化の輸送業を軸にするマルゼングループは2018年、北九州本社の拡張とともに2階建て約3000㎡の倉庫を同所に構えた。これを皮切りに倉庫事業に着手し、保管・荷役・運送の全工程を一括して請け負う「3PL」体制を整え、顧客とのパートナーシップを強固にしている。
旺盛な倉庫需要を背景に、現在の倉庫はフル稼働が続き、昨年から本社隣接地約6000㎡の土地造成を進め、倉庫事業の拡大に備えている。これと同時に中核の運送事業では、23年11月、関東2拠点目の営業所を千葉県船橋市に開設した。
これまで九州・山口を圏域に運送網を拡大していた同社だが、22年秋に以北初進出になる拠点を江戸川区東葛西に置いた。保有トラックを現地に配備し、同域内の運送を担う中で、「関東は制度が整備され大口の引き合いが多く、生産性向上や一層の運営効率が図れる」と牛嶋社長。ISOやSDGsに造詣が深い企業との取引を拡大することで、従業員の働く環境整備を強く意識する。
そこで、初進出から間もなくして同拠点から10キロ圏内に2拠点目を構えた。その場所は、佐川グローバルロジティクス㈱（東京都品川区）が初の冷凍冷蔵倉庫として23年７月に開設した施設内で、業務を統括する吸山本部長は「実績を積むことはもちろん最適な物流ノウハウを習得できることは大きい」とし、大手企業に伴走しながら、自社の物流改革に期待を寄せる。

働き手の職場環境改善を第一に

物流の2024年問題に代表されるように近年の物流業界は労働力不足が顕在化。同社もドライバー不足の課題を抱え、業務の省力化を推し進めながら人材の適正な配置を思案している。
その一つが前述したように大手企業とのパートナーシップを強固にすることで、従業員の働く環境を整備すること。そのため今後は関東に比重を置いて事業を拡大する方針だ。また、牛嶋社長自身がドライバー経験もあることから車両の快適性には強いこだわりを見せる。積載率向上とCO₂削減への対応もあるが、近年は保有する4トントラックを10トンに切り替えながら大型車両を充実。長い距離を走行するドライバーにとって車内は生活空間と言っても過言ではなく、機能性はもちろん見た目を重視したデザイン性を追求する。
さらに、運営効率を高めた点呼ロボットの導入やグループ5社をもつ強みを生かした横断的な人材配置により、労働の平準化を可能にしている。女性ドライバーの雇用も促進し、賃金アップにも取り組む。「IT化・DX推進・顧客単価の徹底見直し」と2024年の年初に目標を掲げた牛嶋社長。業界の抱える問題に取り組みながら生活のインフラに欠かせない物流という社会的責任を果たしていく。

牛嶋浩人　社長（左） うしじま・ひろと／久留米市出身。1971年9月26日生まれの52歳。山口芸術短期大学卒。広告代理店に勤務しデザイン業務に従事。21歳で大型免許を取得し、23歳で佐川急便のドライバーに。同関連会社勤務を経て独立、「MARUZEN EXPRESS㈱」を設立した。趣味は海や山などへ仲間とツーリング、読書、映画鑑賞 吸山太　統括本部長（右） のみやま・ふとし／福岡県遠賀郡出身。1968年7月18日生まれの55歳。戸畑工業高校卒。87年佐川急便北九州営業所に入社し八幡西営業所、宗像営業所に配属。そこで当時の牛嶋会長と出会い2019年5月、MARUZEN EXPRESS㈱に営業部長として入社した。趣味はゴルフ、釣り、ツーリング、北九州マラソン完走、別府100キロウォーク完歩

採用情報
募集職種／トレーラー、10ｔ-4ｔドライバー(中途)、事務職(運行管理者・サポート)、管理職
応募資格／大型免許資格、牽引免許(ドライバー)
採用予定／50人
問合せ先／TEL.093-562-5151
担当／吸山

（ふくおか経済EX2024年）