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福祉で土木業界の人材不足を解決へ

（写真左上）「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞受賞式
（右上）カムラックおおいたの新オフィス
（左下）業務の流れ　（右下）雇用の流れ

さまざまな業界と福祉の連携を推進してきたカムラックグループ。昨年11月、就労支援事業の㈱カムラックとソフトウェア会社㈱else if（エルスイフ）、橋梁や構造物の設計などの㈱Sprice-Lab（スプライスラボ）はコンソーシアムを設立。3社連携で土木業界が抱える人材不足の課題を解決する新たな挑戦を開始した。

コンソーシアム設立、土木×福祉の新しい取り組み

IT分野に特化した就労支援事業を主軸に挑戦を続けるカムラックグループ。
昨年11月、就労支援事業所運営などの㈱カムラック（賀村研社長）とソフトウェア会社㈱else if（髙森啓二社長）、橋梁や構造物の設計などを手掛ける㈱Splice-Lab（片山英資社長）は、深刻な人手不足の課題を抱える土木業界を福祉事業で支援する「constructionカムラックコンソーシアム」を設立した。
カムラックではこれまでITに特化した就労支援事業を展開。エルスイフとの連携体制により案件の一部をエルスイフがカムラックに委託し、共にプロジェクトを遂行することでレベルの高い障がい者IT人材を育成してきた。一方、スプライスラボでも土木業界における技術開発、人材育成支援による新たな価値作りを目指しており、３社連携で全国的にも数少ない「土木と福祉」のコラボレーションとDX化支援に踏み出した。「これまでにさまざな業界の企業と連携し、新しい価値の創造と障がい者の自立支援を手掛けてきた。土木業界は4月以降、時間外労働がさらに厳しく取り締まられ、上限時間を遵守しなければならなくなる状況もある。障がい者人材の活用、育成により深刻な人手不足を解消できれば」と賀村社長は思いを語る。

福岡、大分市を起点に事業拡大

コンソーシアムの業務を担うのは、就労継続支援A・B型事業所の「Come Luckラボ」（福岡市）と「カムラックおおいた」（大分市）だ。
カムラックおおいたは、業務拡大と利用希望者の増加に伴い1月、大分市西大道と同市府内町にあった2拠点を同市中央町4丁目に移転集約し拡張。また、3月には運営会社名もスターアイテムウェルフェア㈱から㈱カムラックおおいたに変更したほか、増資と片山社長の専務就任により今後のさらなる連携強化と発展に向けた土台を整えた。新たに役員として参画する片山社長は「障がいは特性にすぎない。土木業界の設計に携わりながら社会人として巣立つ訓練を支え、人材不足の土木業界を助ける取り組みを仲間と共に推進していきたい」と抱負を語る。
業務内容は土木設計、書類作成など専門的内容やシステム開発、バックオフィス業務など多岐にわたる。一定スキルレベルを越えた障がい者メンバーは発注元企業へ紹介のうえ就労の機会を設ける計画で、「当グループにしかできない連携で、大分県ならびに大分市の振興への貢献を目指して尽力していきたい」と髙森社長。1月には大分県知事と大分市副市長臨席のもと業務拡大と新拠点設置について表明し、今後の挑戦に向けた決意を新たにした。
「IT業界を変える」という思いで企業と連携したさまざまな取り組みを進めてきたカムラックグループ。土木と福祉のコラボレーションで新たな価値を生み出していく。

賀村 研　㈱カムラック社長（中央） かむら・けん／愛媛県伊予郡砥部町出身。1972年1月31日生まれの52歳。日本大学農獣医学部卒 髙森啓二　㈱else if社長（右） たかもり・けいじ／大分市出身。1972年8月18日生まれの51歳。大分県立情報科学高校卒 片山英資　㈱Splice-Lab社長（左） かたやま・えいすけ／長崎市出身。1972年11月18日生まれの51歳。九州工業大学工学部卒

採用情報
カムラックグループ（㈱else if）
問い合せ先／TEL.092-651-3434
担当／藏田
詳しい採用情報はHPをご覧ください

（ふくおか経済EX2024年）