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新年度に持ち株会社体制へ
「シナジー効果発揮する組織体制に」
福岡・長崎市内を中心に自社企画の事業用賃貸マンション、アパートを企画、販売、コンサルティングし、売上高50億円と好調に推移。新年度にホールディングス化を控えているほか、エリア拡大の一環で沖縄や北海道への進出を強化。新たにシニア向け賃貸事業などにも力を入れていく。
自社企画の事業用賃貸物件「モダンパラッツォシリーズ」を展開し、設立12年目で供給実績は130棟以上、23年2月期売上高は50億円と過去最高業績を更新した。今期も同水準の売り上げとなる見込みで、引き続き福岡、長崎市内を中心に、東京、大阪、熊本、沖縄で展開を進めながら物件の仕入れも強化していく。沖縄ではようやく1号物件を着工したほか、今後は北海道エリアへの進出も検討しているといい、全国に供給を拡大していく計画だ。
経営体制においては、新年度以降に傘下11社を連ねる持ち株会社を設立する予定で、現在最終調整に入っているという。昨年3月に社長に就任した田中社長は「グループ会社も増えてきたのでホールディングス化に向けて昨年から動いてきた。シナジー効果を発揮できる組織を構築していくとともに、グループ会社それぞれで独立した経営判断ができるような人材を育てたい。将来的には社内で経営者となる人材を輩出していける会社にしていく」と目標を語る。
メインの不動産事業においてはこれまで、投資用賃貸物件のほかウィークリー、マンスリー、貸会議室からテナント物件オフィスビルに至るまで幅広く展開してきた。法人向けの社宅事業も好調といい、今後福岡市内では博多、六本松、平尾エリアで契約を進めていく方針だ。また今後、既存の仲介店を長崎地区に10店舗ほど増やしたい計画で、「既存のオーナーさまが長崎に多いということもあり、賃貸仲介や管理、リフォームに関わるサービスを提供する店舗を増やすとともに、地元の工務店や大工、地場金融機関、保険や相続セミナーなどを案内できる拠点を創出し、地域に人が集まれる場所をつくっていきたい」と話す。一方、不動産事業以外においては飲食店運営事業やCSR活動などに取り組んでおり、昨年は福岡市中央区天神4丁目の商業施設「ミーナ天神」に、九州初出店となるカフェ「E PRONT(エプロント)」をFC出店した。これまでに居酒屋運営や子ども食堂開催など飲食に関わる事業に取り組んできた同社。「主軸の不動産事業は『住』に関わるサービス。衣食住すべてをワンストップで提供できる体制にしたい思いもあり『食』事業に参入した。『衣』に関わるサービスの提供は現実的に難しいので、『生きる』をテーマに、医療や整形外科などと提携して新たなサービスを提供できるように動いていきたい。その第一弾として、シニア向け賃貸マンションの展開も強化していく」とし、不動産を軸にした「生・食・住」にまつわる事業の確立を目指していく。実際に長崎の整形外科を買収するなど積極的に動いており、さらなる企業価値の向上に努めていく。
従来から取り組む社会貢献活動においては、「モダンプロジェカップ」と称して冠スポンサーをつとめる「九州学童軟式野球大会」を毎年開催するほか、社会福祉施設へのプロ野球観戦チケット贈呈、奨学金を支援する奨学育成会を創設するなど積極的に取り組んできた。また、北九州銀行の寄付型私募債1億円(期間は5年)を発行し、昨年12月に同社の別府大力会長の出身校でもある福岡市立当仁小学校(同区唐人町3丁目)へ寄付した。
自社企画物件を強みに、直近のプロジェクトも続々と進行中で着実に供給実績を伸ばし続けている同社。土地の選定から資金調達、引き渡し、管理までを一括でコンサルティングできるほか、売却までワンストップでサポートできる事業体を強みに、地域に根差したサービスで今後もその成長スピードは加速し続ける。
田中貴広 社長 たなか・たかひろ/佐世保市出身。1974年5月10日生まれの48歳。長崎県立佐世保北高校卒。卒業後、福岡の石油販売会社に入社。その後は設立メンバーとして2012年3月㈱モダンプロジェに入社。管理部長、17年総務経理部長、20年1月取締役副社長を経て23年3月から現職。趣味はドライブ、旅行 |
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(ふくおか経済EX2024年)