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自社製品開発で業容拡大組込みソフト開発のプロ集団

（写真左）飲酒運転防止IoTシステム （車内設置型アルコール検知システム）
（写真右）AIを活用した自律飛行ドローンによるイチゴ農園監視システム

家電製品や通信機器などに組み込まれるソフトウェア開発を手掛け、地場大手とも取引がある。近年では飲酒運転抑止の「Rコールシステム」やAIを活用した「自律飛行ドローンによるイチゴ農園監視システム」の開発に取り組むなど業容を拡大。教育事業にも注力し、次世代を担う組込開発技術者やAIエンジニア育成にも取り組む。

社会課題を解決する自社製品

福岡にこだわりながらソフトウェア開発を続ける一方、「社会課題を解決する」をコンセプトに自社製品の開発にも取り組む。これまで開発した「飲酒運転防止IoTシステム （車内設置型アルコール検知システム）」や「AIを活用した自律飛行ドローンによるイチゴ農園監視システム」は、飲酒運転撲滅の一役を担う点や農業従事者の高齢化に伴う労働力不足対策につながる点などが評価され、「福岡県IoT認定製品」として2製品ともに認定を受けている。展示会でも注目を集め、現在は広報支援を受けながら販路拡大を図っている。
「AIをキーワードにした研究開発は当社としても今後さらに注力していく」と光安社長。直近では組込みシステム技術協会（JASA）が主導した経済産業省の補助金事業に参画。工事現場などへの適用をターゲットにした「周囲安全監視システム」の研究を行っている。これは工事現場の危険区域や重機・人が、相互に異常接近してしまう事態を遠隔で監視し、工事現場の安全を自律的に監視するもの。最先端のSLAM技術やLidar技術などを駆使し、異常・危険の予測・検知・通報・通知までを遠隔で自律的に行う。5G通信なども用いることで、遠隔での操作・監視の環境下でも即時性を可能にするなど、実用化を目指し研究を進めていく。

（写真上）福岡市科学館とコラボし開催した小学生向けの AI×ロボットの実技セミナー （写真下）唐津ビジネスカレッジ（佐賀県唐津市）と企画したセミナー

AIのエンジニアを育成

“次世代”を視野に裾野拡大 　これまでも光安社長が九州支部長を務める組込みシステム技術協会（JASA）でのETロボコンやアジア圏の工業系専門学校生を主体とした国際ハッカソンなどを通じ、次世代を牽引する若手エンジニアの育成に注力してきた。昨春には自社の定款を変更し、従来のソフトウェア開発事業に加え、新規に教育事業を追加。教育事業が今後さらに重要度を増すと見込んでのことであり、特定非営利活動法人九州組込みソフトウェアコンソーシアム（QUEST）とも連携しながら推進を図る。
その取り組みが少しずつ成果として現れ始めている。今年に入り、親交のあった福岡市科学館とコラボし、小学生向けのAI×ロボットの実技セミナーを開催。申し込み開始前から注目度が高く、締切を待たずに満席になるなど人気を集めた。当日は参加した小学生や保護者からも満足の声が多く盛況だった。また、唐津ビジネスカレッジ（佐賀県唐津市）との企画で、カレッジの学生や一般の参加者に向けたセミナーを前述のQUESTと合同で実施している。
セミナーではエフェクト社内のAIチームメンバーによる講演や、自社開発として取り組んできた「自律飛行AI×ドローンによる農園監視システム」を紹介。実際に会場内の3DマップをSLAM 技術を用いて作製し、AIドローンが障害物を避けながら目的の位置へ飛行する実演を行った。こうした独自の取り組みは、昨年6月にコロナ禍にありながら業務の効率化とコロナ対策を目的に増設した第二オフィスでリモートワークも効率的に活用しながら進めている。光安社長は「これまで通り受託事業は継続と成長を目指すが、そこに固執せず、コロナ禍でも最先端の自社独自技術を生かした新規事業を展開していきたい」としており、この姿勢は今年度も変わらない。

光安 淳 社長 みつやす・じゅん／福岡市南区出身。１９７４年７月２８日生まれの４６歳。東福岡高校‐佐賀大学大学院工学系研究科卒。９９年４月昭和電工にプラントエンジニアとして入社。２００１年アルファシステムズに入社し ＳＥとして１０年勤務。１２年４月に㈱エフェクトを設立。（一社）組込みシステム技術協会（ＪＡＳＡ）の九州支部長や次世代エンジニアの育成等を目的とした（一社）先端ポリテクニック人材育成推進協議会（ＰＲＯＰＯＬＹＳ）の理事も務める。趣味はスポーツ観戦

採用情報
募集職種／組込み分野におけるコンサルタント、SE、プログラマー（ 派遣、請負、自社開発 ）
採用実績／2020年度4人
採用予定／5人（中途採用あり）
年間休日／125日
問合せ先／TEL.092-409-1723
担当／光安

（ふくおか経済EX2021年）