COMPANY
アリアケショウジグループ
有明商事グループ
〒836-0843 大牟田市不知火町2-5-1 シーザリオン2F [MAP]
TEL:0944-51-2020
http://www.ariake-syoji.mydns.jp/創業120周年、大牟田から
差別化した多角化でさらに飛躍
創業120周年を迎えた有明商事グループ。現在では福岡県南や熊本県北を中心に6事業(物流、建資材、製紙、セラミックス、福祉・不動産、農業・食品)を展開している。生活に不可欠なものづくりや福祉サービスなど差別化した多角化戦略で、これからも大牟田から日本全国へ「あなたの明日と、共に有る」を発信していく。
創業120周年
地域密着の事業で基盤構築
同社のルーツは1899年に大牟田市で田畑理吉・守吉氏が創業した港湾荷役運搬業の「有明運輸店(後の有明組)」。1916年から電気化学工業㈱大牟田工場の化学製品の粉体輸送を手がけている。戦後、有明組はGHQにより解体。子会社であった有明商事㈱が同工場の荷役運搬業を引き継いだ。
1960年代には生コンクリートの製造を開始。現在では大牟田市や熊本市内に計5工場、砕石山、八代市にコンクリート二次製品工場を保有し、有明生コングループは中九州地区最大規模の生コン関連事業を誇っている。田畑社長は「これらの事業は地域性や取引先の業績、公共性に左右される」と話す。そのため収益基盤の確立を目的に、「人々が日常的に使用するもの」や「日本各地に販売可能なもの」をもとに多角化を模索した。
ものづくりによる差別化した多角化戦略
1984年にポピー製紙㈱(八女市)を設立し、家庭紙の製造を手がけている。現在では24時間体制で日産60万個のトイレットペーパーを製造。田畑社長は「九州・沖縄から関西地区までの約400万人が日常的に使用する」と胸を張る。
87年には九州セラミックス工業㈱(大牟田市)を設立。耐摩耗性に優れた工業用のセラミックス二重配管を製造し、国内外の製鉄所や発電所、電気自動車の製造ラインの配管に利用されている。また、九セラ㈱(同市)では業務用の強化磁器食器を製造。セラミックスを使用し、一般的な食器の約3倍の強度を保つ。現在では日本各地の小・中学校や保育園などで使用されており、強化磁器食器の全国シェア40%を占めている。「これらの事業はニッチな市場だが、オンリーワン企業。日本各地の需要は絶えない」と自負する。
福祉サービス、アグリビジネスへの挑戦
2000年には福祉事業に参入。約250床の施設を運営し、総合的な福祉サービスを展開中だ。「大牟田市周辺地域はシルバー先端地区や人口減少地区。1拠点約5,000坪の土地で複合施設を建設し、多様化する介護サービスの提供や部署間の人事相互交換で人材確保に対応したい」と意気込む田畑社長。
2010年に玉名市で菌床栽培のシイタケ、長洲町で独立ポット耕栽培のトマトの製造を開始。消費量が年間1万トン以上や栽培方法が確立されているが、機械化が容易ではない作物を選択する同社。「農業従事者の平均年齢や日本の食料自給率などを考えれば、食料安保は必要。規制緩和を注視し、半歩先の挑戦をする」と参入の狙いを語る。
昨年は農地所有適格法人・㈱有明ファームを設立し、1.5ヘクタールの農地を取得。国の助成金を利用し、トマトハウスの増設を計画中だ。「収穫量は土耕栽培の倍を見込んでいるが、投資額も大きい。ビジネスとして成立するか否か、重要な分岐点」と力を込める。さらに、農業の六次産業化に取り組む同社。トマトやシイタケの不揃い品を利用し、レトルト食品などを製造・販売する。「現在は手作りのレトルト加工といった高付加価値商品でブランド化を図っている。今後の課題はコストを抑制した日常品が製造可能かどうか」と着実に歩みを進めていく。
(ふくおか経済EX2019年)