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限りある資源に、揺るぎない技術を。リサイクル総合企業へ
国内製鋼スラグの年間総処理数約600万トンは日本一。北九州にある本社を中心に、全国に12カ所の工場を展開している。近年は、創業から70年間培った技術力を生かして鉄鋼分野以外のリサイクル事業も拡大。資源循環型社会の貢献にさらに努めていく「リサイクル総合企業」への道を進む。
70年超リサイクルでSDGs貢献
磁力を利用して廃棄物などから金属類をとり出す「磁力選別機」。創業者である原田源三朗氏が「原田式交流選別機」を開発したことから始まった同社は70年超の歴史を誇り、業界をけん引するパイオニアとして存在感を放つ。手掛けているのは、鉄生産時に発生する副産物の製鋼スラグを処理する「鉄鋼関連」リサイクルが6割、銅やアルミ、レアメタルなどを扱う「環境非鉄」リサイクルが4割。2022年度の売上高は前年比約30%増の206億円と業績好調で、この要因には世界的な金属相場の高値安定という背景もあるとともに「既存事業の拡大を進めてきた」と原田信社長は説明する。製鋼スラグの処理数は国内約3割のトップシェアを誇る鉄鋼関連では、従来のスラグから鉄を取り出す処理に加え、鉄以外のミネラル分も道路材料などにして有効活用する新規ビジネスを創出。さらに環境非鉄関連では栃木県に拠点を置き、東北の精錬メーカーと取引開始するなど、取引先の対象地域も拡大した。
一方で、自社で選別機の製造・開発もしている技術力の高さから「こんなものもリサイクルは可能か」などの相談に応じるコンサルティング業務も担う。今後もカーボンニュートラルとSDGsに貢献するため、既存事業の底上げと新規事業の開拓を進めていく。
全国初の廃電池自動仕分システム
特に、ITの高度化に伴い銅やレアメタルなどの需要が増えており、環境非鉄事業はより拡大すると予測。近年では、廃棄された2次電池(携帯電話などに使われる充電式電池)からニッケルやコバルトなどを回収する事業を始めた。しかし、さまざまな電池が混在した状態で入荷され、ラベルや形状から目視の手作業で選別しなければならないため作業負荷が大きいのが課題だった。そこで、東芝テック㈱と共同開発した全国初の廃電池自動仕分けシステムを昨年6月に本格稼働。AI画像認識装置に通すことで種類・用途別に自動で分類することが可能になり、作業の正確性と効率化を実現した。
(写真上)同社社員と原田信社長(右から4番目)。東田第1高炉史跡広場で創業70周年の際に記念撮影 (下)稼動中の廃電池自動仕分けシステム。種類・用途別にドラム缶へ排出されていく |
社員が公私ともに充実するために
「従業員の満足度向上のため」、事務所の老朽化に伴い25年秋の完成をめどに本社を建て替える。部署間のコミュニケーションを活発化させる狙いでスキップフロア構造にする予定だ。創業より大事にしている長期経営ビジョン「4つの和」-「資源の和(環)」、「人々との調和」、「和(日本)を世界へ」、そして「社員の和(なごみ)の精神」にあるように、社員が公私ともに充実した生活を送ることができる制度と社風を整えてきた。中でも大きいのは福利厚生の充実。家族の宿泊旅行代金に対する補助や、結婚資金として3年または、5年の貯蓄額に加えて一定額を上乗せするブライダル積立金制度など将来設計を支える制度も豊富。また職場の雰囲気について「人が温かい」、「協力し合える文化がある」などと安心して働ける風土であると多くの社員から好評だ。未経験入社で、工場勤務や品質管理、設備設計など部門ごとに必要な専門スキルも、上司や先輩の日々のサポートの厚さから磨いていきやすい。社員やOBの親族がよく入社しているということからも、会社に対する信頼性の高さが伺える。
原田 信 社長 はらだ・まこと/北九州市出身。1969年7月19日生まれの53歳。専修大学経営学部卒。2017年に3代目社長に就任。趣味は音楽 |
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募集職種/総合職コース(工場運営、技術系、事務系に配属)
応募資格/全学部・全学科(理系大学院生、理系学部生、文系大学院生、文系学部生、短大生、高専生、専門学校生)
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問合せ先/TEL.093-521-4456
(ふくおか経済EX2023年)