COMPANY
〝運ぶ〟に特化したマテリアルハンドリング機器製造の技能派集団
(写真左中央)QPS研究所様提供
ブリヂストン発祥の地・久留米にあり、そのタイヤ生産ラインで培われた搬送自動化技術をもとに、様々な業種向けオーダーメイドの自動省力機械を製造しているオガワ機工㈱。社是「生涯五徳」を掲げ、人間力の向上に努めつつ、世界の人々の幸せの為に、扱いやすく、力強く、そして美しい機械を生み出し続けている。
設立46周年、世界へ通用する搬送システムを確立
久留米の地で「運ぶ」に特化した自動省力機械メーカーとして創業して以来、タイヤ工場やEコマースセンター、食品メーカー、自動車工場など多様な業界向けMHE(マテリアルハンドリング機器)を構築。さまざまな顧客ニーズに対応した搬送装置を提供し続け、今年5月で設立46周年を迎えたオガワ機工㈱。「生成発展の精神」を掲げ、限られた工期や空間で最大限の物流効果と業務効率化、省力化を実現するための高い技術力と品質、提案力を有するスペシャリスト集団として高い評価を得ており、主な得意先は豊田自動織機やブリヂストン、オカムラ、ロッテなど25社に上るほか、納入先も川崎重工業やダイハツ九州、キユーピー、九州セキスイハイム工業、伊藤園といったナショナルブランドなど132社との強固なパイプを確立している。
自社一貫体制をタブレットを用いて強化
同社の強みは、お客様の望む装置をオーダーメイドで設計・製造工程から施工、アフターサービスに至るまで、「自社一貫体制」で対応している点にある。設計・製造・施工の各部門と連携を密にし、諸問題をDR(デザインレビュー)しながら協調。作業を同時進行することで工期短縮の実現と俯瞰的な視点を「ものづくり」に活かすことができるという。「この生産体制は〝コンカレントエンジニアリング〟と呼ばれ、昔から言われているものだが、これに加え2019年から社員一人ひとりにiPadを持たせ、アプリを用い各オーダーの管理と社員間のコミュニケーションをリアルタイムに行うとともに、全オーダーの進行具合が一目でわかる大工程表のほか、社内文書をSharePointで共有することにより、さらなるリードタイムの短縮に努めている」と伊藤秀典社長は説明する。
設計部門では3人1組2チームを編成し、設計協力会社との連携を強化。納期やコスト、安全性や設置条件など様々なアイデアを練り上げ、製造部門ではオーダーメイドによる部材加工と高精度パーツを製作。組立・据付・オペレーション部門が自社工場で試運転を実施し、きめ細かい調整でより要望に沿った搬送システムを提供するほか、状況に応じてオペレータ教育や指導、点検・修理などのアフターサービスを実践している。
宇宙プロジェクトを新規事業の柱に
さらに、同社が成長産業として注力しているのが「宇宙産業プロジェクト」の推進だ。2011年8月、筑後地区の中小製造企業を中心に小型人工衛星のものづくりに挑戦するグループ「円陣」(加盟企業11社)に参加。17年10月から福岡発の宇宙ベンチャー「㈱QPS研究所」が取り組む世界最軽量の小型SAR(合成開口レーダー)衛生開発にも携わっている。「いつか円陣メンバーで開発した小型人工衛星を宇宙へ送りたい。宇宙に対する憧れとものづくりがマッチした壮大なプロジェクトに大きな魅力を感じている」(伊藤慎二副社長)と新たな可能性を追求している。
同社が担当するのは人工衛星を支える筐体設計と組立、電気系動作を実現するアクチュエータの開発。光学衛星で夜間や悪天候でも地表観測が可能なことから、防災や環境調査に大きな期待が寄せられている。2020年12月の1号機打ち上げから、21年1月25日に第2号となる小型SAR衛生「イザナミ」の打ち上げに成功。同年3月3日には最初の撮影画像(ファーストライト)を公開。将来の36機打ち上げ実現に確固たる実績を刻んだ。伊藤社長も将来の社会インフラ整備の革新と新たなビジネスチャンスの有用性に着目している。
「若いメンバーが多く、発展途上の段階だが、〝強い想いは必ず実現する〟を胸に、日々一瞬一瞬、現状維持は衰退と考え、発展進歩していきたい」と意欲を見せる伊藤社長。その力強い言葉が印象的だ。
伊藤秀典 社長 いとう・ひでのり/久留米市出身、1972年6月16日生まれの49歳。創業者・伊藤博介会長の長男。久留米高専機械工学科~豊橋技術科学大学エネルギー工学課程卒。卒業後オークラ輸送機に勤務後、1995年5月にオガワ機工に入社し、2015年5月から社長 |
採用情報
募集職種/営業技術職、設計職
応募資格/高専、大学、大学院卒
採用予定/若干名
問合せ先/TEL.0942-31-1378
担 当/人事 伊藤
(ふくおか経済EX2022年)