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食品業界の緊急事態に対応、安定供給で過去最高益更新へ
(写真左上)割卵機 (右上)名古屋工場の自動充填機
(左下)ミニパックの製造ライン
(右下)託児所を完備し働きやすい環境を整備
「食の半導体」である液卵を提供するイフジ産業㈱。コロナ禍、鳥インフルエンザと食品業界を緊急事態が襲うなか、スピーディーな判断力で安定供給を実現した。また、ベースアップや新卒採用の初任給引き上げなど従業員のモチベーション向上や優秀な人材確保を推進し、企業としてのさらなる発展を目指す。
スピーディーな判断でエッグショックに対応
独立系トップの液卵メーカーとして挑戦を続けるイフジ産業㈱。
2022年秋から昨年春にかけて起きた過去最大規模の鳥インフルエンザの発生は、製菓や製パンをはじめとする食品メーカーや外食チェーン、コンビニなど多方面に深刻な影響をもたらした。同社では、コロナ禍に生産者から優先して在庫を引き受けるなど信頼関係やコミュニケーションを大切にしてきたことで、今回の卵不足では優先して卵を調達することができた。また、コスト高やウクライナ侵攻でインフレになることを予測し、22年に冷凍在庫の生産を増量。さらには、早い段階でブラジルからの輸入を決定するなどスピーディーな対応によりエッグショックを乗り切った。「コロナ禍、鳥インフルエンザと緊急事態が続き食品業界はこの数年間非常に厳しい状況だった。卵は食の半導体であり、なくてはならないもの。先を見据えた迅速な判断をしたことで顧客に安定供給をすることができた」と藤井社長は語る。
2024年3月期決算は、食品メーカーが卵の使用量を抑えたことなどが影響し、11年間右肩上がりを続けてきた液卵の販売数量は減少したものの、売上高は前年同期比19%増の248億円を予想。また、単価改定などの対応で経常利益は同10期連続増益と5期連続過去最高益を更新する見込みだ。
全国の工場で設備増強を推進
今後の販売増加を見込み、全国で設備増強を進めている。昨年夏には、名古屋工場(愛知県安城市)で全自動の大型充填機による大幅な生産効率向上を図ったほか、関東工場(茨城県水戸市)では夏の稼働を目指しピロー包装の製造ラインの増設を進める。また、同工場では昨年11月に排水処理設備を増強。新たに特殊フィルターを使った膜分離装置による処理方法を取り入れたことで従来の1.6倍の800トン/日の排水処理を実現。貴重な資源である水をより良い水質で自然に還元していく。
さらに、本社同所の福岡工場でも新型割卵機を1台増やし3台体制にするほか殺菌機やタンクも増設し、夏までに生産能力をトータルで約1.5倍の1万5000トンに高める計画だ。「各拠点それぞれの営業努力のおかげで、今後も取引拡大が見込まれる。生産体制の強化で、さらなるマーケットシェアを獲得していく」と意気込む。
(写真)関東工場で増強した排水設備 |
ベースアップで安心して働ける環境を整備
同社では、優秀な人材の確保や定着、従業員の貢献意欲を高めるため、近年は毎年ベースアップや昇給、諸手当の拡充を実施。給与水準を22年度は平均4.9%、23年度は6.7%、そして24年度も7%引き上げる計画だ。また給料の減額なく年間121時間の就業時間の短縮を実施し、大幅な労働環境の向上を図る。
さらに、新卒初任給も24年度大学卒新入社員から27万1000円に引き上げるなど優秀な人材獲得に向けた対応も行った。「従業員が安心して働くことができる雇用条件と労働環境を整備することで、製品やサービスのさらなる品質向上、ひいては業績や企業価値の向上に努めていく」と藤井社長。食品業界を支え、社会的使命に応え続けるイフジ産業。より豊かな社会実現に向けさらなる挑戦を続けていく。
藤井宗徳 社長 ふじい・むねのり/福岡市出身。1975年6月2日生まれの48歳。99年同社入社し、2007年6月取締役に昇格。08年3月常務。09年11月専務を経て14年6月社長に昇格。趣味は旅行 |
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募集職種/営業、管理部門
応募資格/大学卒、大学院卒
採用実績/10人
年間休日/122日
問合せ先/TEL.092-938-4561
担当/採用担当 渡邉(わたなべ)
(ふくおか経済EX2024年)