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海洋ごみ運搬ロボットを今年度中に実用化へ 九州職業能力開発大学校


週刊経済2023年11月21日発行号

来年1月の完成目指す

ものづくり産業に特化した教育プログラムを実施する九州職業能力開発大学校(北九州市小倉南区志井、近藤孝広校長)は現在、海洋ごみを運搬するロボットを開発しており、来年1月の実用化を目指している。
「海の宅配便」と名付けた同ロボットは、水中ダイバーが海中清掃した際にでるごみを川岸まで運搬させることを可能にしたもの。海洋ごみを約20キロ搭載できる。同大学校の地元でもある北九州市では、市をはじめ海洋環境団体などが海中清掃活動を通して海洋ごみの問題に取り組んでいる。昨年、小倉北区の紫川河口付近で試験運航を実施し、コントローラーで遠隔操作しながら海中ダイバーとの協働作業に取り組むなど実用化に向けた取り組みに力を入れており、今年10月8日には、門司港レトロで開催された「門司港水中清掃」に、製作中の「海洋ごみ運搬ロボット」を出動させた。ダイバーは50~100mほど岸壁から離れ、潜水shながら海洋ごみを回収して進み、ロボットは無線操作で海面を追いかけ、海洋ごみを載せたあと、ロボットを操作してごみを引き上げた。1時間半の清掃活動でごみ袋5袋分の海洋ごみを回収できた。
同大学校では「国際問題となっている海洋ごみを減らすためのロボットを実用化することで、学生たちの社会貢献に対する意識を高めていきたい」と話している。