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“食と暮らし”関連の新会社を本格始動  新出光    水宅配やCVSなど展開、喫茶店事業にも参入へ


 石油製品販売の株式会社新出光(福岡市博多区上呉服町、出光泰典社長)は4月1日、「食と暮らし」をキーワードに天然水宅配事業やコンビニエンスストア(CVS)事業など主に個人客向けのBtoC事業を手掛ける新会社「株式会社i・ライフソリューションズ(以下i・ライフ)」を始動させた。
 これは2026年の100周年に向けたプロジェクトのもと、基幹の石油事業を維持しながら非石油事業の拡大を図る一環。i・ライフは独自ブランドを投入し新規に開始する天然水宅配事業のほか、グループのCVS事業や食品宅配事業、自動販売機ベンダー事業を集約し展開する。また喫茶店事業への参入も計画しており、「ライフ事業」として、石油事業やオート(自動車関連)事業、環境事業、オフィス事業に続く新たな柱に育成する方針。
 天然水宅配事業は、島根県浜田市金城町の地下700mから汲み上げる、人間の体液の濃度に近いpH値8・0の天然アルカリ水を独自ブランド「Reset Time(リセットタイム)」として展開。酸性に傾きがちな人間の体を本来の弱アルカリ性に戻そうとする水そのものの質はもちろん、ウォーターサーバーの性能や設置・保守体制から健全な販売手法まで独自性をもったサービス提供で、大震災以降、急成長する宅配水市場でシェアを開拓する。5月中旬にも専用WEBサイトを開設し、6月からはテレビCMも放映予定。直販だけでなく、全国に代理店を募り、初年度5千会員、3年後に1万会員獲得を目指す。
 CVS事業は、新出光からセルフ式SS(給油所)との一体型店舗「I‐store新宮」(ローソン新宮美咲3丁目店)を継承。今後はSSで培った店舗開発・運営ノウハウを駆使し、SS跡地やSS一体型店舗にこだわらず、多店舗展開を図る。初年度4店舗を新規出店し、3年後に福岡、佐賀、熊本を中心に20店舗体制を構築する計画。喫茶店事業でも大手チェーンのFCとして、年内に1号店を出店し、3年後に10店舗体制を目指す。
 現在2カ所のSSを拠点に展開する食品宅配事業は、主力商材の選定をはじめビジネスモデルを再構築し、展開エリアを増やす。自販機ベンダー事業はグループのSS内を中心に260台を管理・運営しており、3年後には350台体制を目指す。これら5つの事業を中心に、売り上げ目標を初年度5億4000万円、3年後に36億円に設定している。
 i・ライフは昨年11月に設立。資本金5000万円で、新出光の100%出資。本社は上呉服町の新出光ビル3階に置く。社員数は8人。社長に4月1日付で江藤晃一IT企画課長が就任した。江藤社長は糸島市出身。1963年2月14日生まれの50歳。90年に新出光入社。SS勤務を皮切りに、主に情報システム畑を歩んだ。趣味はゴルフ、温泉めぐり。