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興永産業


津田 拓

興永産業㈱ 社長

つだ・たく/福岡市出身。1983年4月26日生まれの40歳。旧・九州東海大学卒。自動車販売店を経て25歳で入社。21年4月から現職。趣味はゴルフ、トレーニング、カメラ

総合力を活かし「街と暮らしを創る」

1999年、福岡のロードサイドで商業店舗の開発を契機に事業を開始した興永産業㈱。「新しい街と機能的な暮らしを創る」という事業テーマのもと、現在は商業施設の企画開発や住宅、フードの3本柱を展開する。
年商の約5割を占める商業施設企画開発事業では九州・関西エリアを商圏に、郊外大型店舗の立地選定から、テナントリーシング、熟練スタッフによる店舗建設工事まで一貫したサポート体制を敷く。とくに同社は事業主の立場で土地オーナーとマスターリース契約を結ぶ立地選定ノウハウを強みに、大型のドラッグストアやホームセンター、商業施設のリーシング実績も豊富だ。今後はこれまでのノウハウを活かした不動産事業に注力する考えで、津田社長は「得意とする企画力を持ち味に収益不動産の開発・運用や、私募リート組成も視野に入れている」と方向性を明かす。
2012年から収益基盤の強化を図ろうと、中古住宅の買い取り再販業で住宅事業に参入した。現在は年商4割を占める事業柱へと成長。建売ブランド「ヴァンベール」シリーズをはじめ、デザイン規格住宅ブランド「ジブンハウス」、年初にリリースした「注文住宅ブランド「コウエイデザインハウス」と充実した戸建て商品の売り上げも収益基盤を支える。今後は開発区画の大型化(20区画程度)を図るとともに、その一部を活用し医療・介護施設の誘致に取り組む方針だ。このほど完成した早良区重留の戸建て分譲地「ヴァンベールタウン重留」(11区画)では介護施設の誘致実績もある。「後発組ではあるが、商業施設の企画開発ノウハウを活かすと勝ち筋はある」と自信を見せる。
フード事業では兵庫県で「コメダ珈琲店」のFC事業を3店舗展開する。関西エリアの店舗建設工事を手掛けていた縁で事業を始めた。今期はスタッフにも支えられ3店ともにコロナ禍以前の売り上げを記録。来年2月末には同県4店舗目をオープンする。「ゆくゆくは福岡の出店も実現したい」と笑顔を見せる。
今期売上高は前期比125%の伸びで初の40億円を超える見通し。その背景には21年4月に就任した津田拓社長のもとで取り組んできた、営業基盤を支える永年勤続のベテラン社員をはじめ中途採用者、新卒者の存在がある。津田社長は今後について、「全従業員とともに事業をさらに拡げる。将来的には事業の総合力を活かしながら、人の暮らしに必要なことをトータルプロデュースしたまちづくりを手掛けていきたい」と語った。

 

DATA
所在地/〒814-0101 福岡市城南区荒江1-28-18
TEL/ 092-407-1811
創業・設立/1999年1月
資本金/3,000万円
事業内容/商業施設の企画開発事業、住宅事業、フード事業
従業員/130人(アルバイト・パート含)
売上高/40億円(2023年12月期見込み)
拠点/大阪支店(大阪市淀川区西中島5-14-10 新大阪トヨタビル6F)、
コウエイデザインハウス(福岡市中央区港2-7-3 Avanti2F)

https://www.koei-inc.jp/

(ふくおか経済2023年11月号FACE)