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東急の定額制回遊型宿泊サービスを導入 西鉄ホテルズ


週刊経済2023年9月20日発行号

国内全18施設に

西鉄グループのホテル運営会社、㈱西鉄ホテルズ(福岡市中央区天神1丁目、豊福辰也社長)は9月7日、東急グループの中核企業、東急㈱(東京都渋谷区)と業務提携契約を締結し、同社が運営する定額制回遊型宿泊サービス「TsugiTsugi(ツギツギ)」を同15日から国内全18施設に導入した。
同サービスは全国の宿泊施設から、その時々の都合や気分に合わせて好きな場所を選び、定額で宿泊可能なサブスクリプションサービス。利用頻度に合わせ、宿泊数の異なるプランを選択可能で、どのプランでも同伴者1人まで無料で宿泊できるのが特長。コロナ禍を経て、ライフスタイルが多様化し、観光を兼ねたリモートワークや気分転換でのホテルステイ、複数拠点での生活など、日常の延長として宿泊施設を利用する新たな需要が拡大する中、西鉄ホテルズでは同サービス導入で新規顧客との接点の創出と新たな需要の発掘を目指す。
TsugiTsugiは東急の社内ベンチャーとして2021年4月に始動。東急ホテルズ&リゾーツや東急リゾーツ&ステイ、ホテル伊豆急、ルネッサといった東急グループの宿泊施設をはじめ、JR北海道ホテルズ、静岡鉄道、独立系ホテルや温泉旅館、グランピング施設が加盟し、西鉄ホテルズの参画で対象施設は全国127施設となった。個人向けの販売プランは30日間で2泊、5泊、14泊の「えらべるプラン」、30連泊の「まいにちプラン」の計4プランで、月額利用料金は「えらべる2」が2万3980円~「まいにち30」が29万9800円。法人で泊数を一括購入し従業員で共有できる法人向けプランも企業ごとにフルカスタマイズで提供する。今年5月からは、生成AI「ChatGPT」を活用した旅先や宿泊施設選びなどの相談ができる独自のAIコンシェルジュ機能も装備した。今年9月時点の会員数は約3万人で、2027年度に会員数は10万人、対象施設数は1千施設を目指す。
9月7日の記者発表会で同事業を発案した東急ホスピタリティ事業部事業戦略グループの川元一峰主査は「今回の提携で、これまで対象施設がなかった鹿児島県や大分県をはじめ、九州・沖縄地区の施設がさらに充実し、より多くの方々の需要にフィットする宿泊機能の提供が可能となった」と話している。