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6月からセカンドオピニオン外来、紹介外来を開設  鳥栖市のサガハイマット    8月から前立腺がんの治療開始


 佐賀県鳥栖市原古賀町の新鳥栖駅前に完成した重粒子線がん施設「サガハイマット」(九州国際重粒子線がん治療センター)は、6月1日からセカンドオピニオン外来、紹介外来を開設する。
 8月からスタートする前立腺がんの治療を前に同施設での治療を希望する患者を提携する医療機関などから受け入れることを目的に開設した。すでに4月1日付で九州大学、久留米大学、佐賀大学の各附属病院の放射線科に粒子線がん治療外来が開設されており、今後、3大学の附属病院や九州各県医師会や医療機関から紹介を受けた患者を受け入れる。
 「サガハイマット」は国内では4カ所目、九州では初めての重粒子線がん治療施設。光速約70%に加速した炭素イオンをガンの病巣にピンポイントで照射し、死滅させる最先端の放射線療法の一つ。九州新幹線が停車する新鳥栖駅前に立地していることから、九州・山口地区大学連校医療推進委員会や九州各県医師会、医療機関などが患者の紹介などで協力している。12月には全額自己負担の先進医療も実施する予定で、12月には頭蓋(づがい)部や骨軟部、3月には肺、肝臓などの部位治療を開始する。
 施設は鉄筋コンクリート造り3階建てで延べ床面積は約7500平方m。治療に必要な機材や炭素イオンを生成する加速器の搬入などはすでに完了している。5月10日は報道関係者を対象にした内覧会を実施、十時忠秀理事長は「サガハイマットは産学官連携の協力で発足する民間の重粒子線がん施設としては全国で初めて。九州・山口の全大学、28の国立病院機構、各県医師会など医療界からも協力をいただきスタートする。大学や病院、診療科の垣根を越えた治療を行うモデルケースとしていきたい」とあいさつした。