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原発停止響き最終赤字3324億円に拡大  九州電力    増収も経常費用は9%増に


 九州電力株式会社(福岡市中央区渡辺通、瓜生道明社長)の13年3月期連結決算は、売上高は前期比2・5%増の1兆5459億1900万円、経常損益は3312億600万円の赤字(前期損失2135億3400万円)で、増収も赤字幅は拡大した。
 冷暖房需要の減少などで販売電力量は295億900万kWhで前年を1・6%下回ったが、燃料費調整による料金単価の上昇で、連結売上高は増収となった。だが、原子力発電の運転停止状態が続いていることから、期を通じて火力発電用の燃料費や電力購入量が大幅に増加。緊急経営対策などで経営合理化を推し進めたものの、赤字幅は前期を大きく上回った。経常費用は前期比9・0%増の1兆8913億円に膨らみ、最終赤字(当期純損失)は3324億7000万円で過去最大だった。
 セグメント別では、電気事業の売上高は前期比2・8%増の1兆4083億円、営業損益は3126億円の赤字。節電の影響もあり、一般需要、大口産業用需要ともに販売電力量は減少した。エネルギー関連事業は発電所補修工事の完成高減少などにより、売上高は同2・4%減の1606億円、営業利益は同46・1%減の25億円。情報通信事業は情報システム開発の減少などにより、売上高は同2・5%減の945億円、営業利益は減価償却費の減少などで同14・7%増の76億円だった。その他事業の売上高は、ほぼ前年並みの272億円、営業利益は同21・2%減の24億円。
 今期の見通しでは、4月以降の電気料金値上げの影響などで売上高は前期比13・8%増の1兆7600億円を見込む。なお、利益については「原子力発電所再稼働の見通しが不透明なため、期を通じた燃料費などの費用を算出できない」ことなどから、現時点では予想を発表していない。