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経産省のDER活用に向けた実証事業に採択 自然電力


週刊経済2023年7月4日発行号

VPP構築軸に分散型電源の普及目指す

自然エネルギー発電開発の自然電力㈱(福岡市中央区荒戸1丁目、磯野謙社長、川戸健司社長、長谷川雅也社長)は6月26日、経済産業省実施の「令和5年度 分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業」(以下DERアグリ実証事業」)に採択されたことを発表した。
同実証事業は、蓄電池やEV(電気自動車)などのDER(分散型エネルギーリソース)を遠隔で統合・制御し、あたかもひとつの発電所のように機能する「VPP」(バーチャル・パワー・プラント)化によって、電力市場や小売電気事業者、発電事業者などに調整力や供給力などを提供することを目的としている。
同社ではこれまで、蓄電池を対象とした需給調整市場の全ての調整力制御、容量市場の発動指令電源としてのDR(ディマンド・リスポンス)制御、卸市場のアービトラージ(価格値差裁定取引)制御といったVPP制御を網羅的に実証し、またEV普通充電器やV2H機器、エコキュートを対象としたVPP化も実証。これらの実績を生かし、今年度は初めてアグリゲーションコーディネーターとしての制御を実施するほか、系統用蓄電池を対象とした制御、さらにEVやEVリユース蓄電池によるVPP構築などを実証する。実証期間は2024年2月20日まで。
同社では「自然エネルギーの拡大・普及にあたり、自然エネルギー電源の開発だけでなく、再エネによる電力の供給と需要をバランスさせる仕組みが不可欠と考えエネルギーテック事業を展開している。今後も地域における分散型電源の普及を通じて、“自然エネルギー100%の世界”の実現を加速させたい」としている。