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「リピーター率」重点に第三期九州観光戦略策定へ 九州観光機構


週刊経済2023年6月27日発行号

訪日観光客数の目標は廃止

一般社団法人九州観光機構(福岡市中央区渡辺通、唐池恒二会長)は6月15日、今年度の事業計画を発表。第三期観光戦略(2024年度~2030年度)の策定を取り組みの柱に掲げた。
第三期観光戦略は同機構が中心となり、九州各県や経済団体と共に検討が進められてきたもので、5月31日開催の九州地域戦略会議で承認を受けていた。ビジョンとして掲げたテーマは、「『住んでよし、訪れてよし、働いてよし』の九州を実現する観光」。KPIとして、観光消費額や延べ宿泊日数に加え、新たに「リピーター率」の目標を設定。リピーター獲得に向けた戦略を重点的に盛り込んだのが特徴となる。一方で、前戦略まで目標を設定していた訪日観光客数の目標を廃止。インバウンド再開後に各地で問題化している「オーバーツーリズム」に対応するべく、リピーターを増やし単価を引き上げる「量より質」の戦略にシフトする。来年度からの始動に向け、10月までに具体的な数値目標や実行計画を策定していく。
唐池会長は「営業力と商品力が観光地の誘客に求められる力だが、ことリピーター獲得を目指す上では、商品力こそが重要になる。各地と連携した観光の魅力づくりに一層力を注いでいく」と話している。