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新工法による自動車用シートフレームを開発中 松本工業


週刊経済2023年6月20日発行号

溶接せず金属を接合する脱炭素工法

自動車部品製造などの松本工業㈱(北九州市小倉北区、松本茂樹社長)は独自の「Jmec(ジェイメック)工法」による車用座席フレーム製品の開発に、シートメーカーとともに取り組んでいる。
「Jmec工法」とは、溶接をせずに金属を接合する工法で、製造工程から脱炭素を図ることを目的に、同社が2年前から技術開発に取り組んでいた。「カシメ接合」を活用したもので、独自設計の金型に対象となる金属同士を入れ、圧力をかけて整形することで、ピンなどを使わずに接合できる。二酸化炭素をほぼ排出せず、溶接よりも使用電力や設備コストを削減できるほか、軽量化や製造時間の短縮なども可能にするという。現在は、Jmec工法を用いた自動車の座席フレーム製品を実現するため、性能試験に適合できる強度などを目指し、シートメーカーとともに開発を進めている。同製品を採用した車種の実現を2026~27年頃に見込んでいる。松本社長は「将来的にはJmec工法の設備メーカーを目指したい」と話している。
同社は1966年11月設立。資本金4800万円。