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太宰府市の国特別史跡にニホンミツバチ巣箱設置 博多ミツバチプロジェクト


週刊経済2023年6月20日発行号

市は特産品開発の実証実験へ

NPO法人博多ミツバチプロジェクト(福岡市博多区住吉3丁目、吉田倫子理事長)は太宰府市(楠田大蔵市長)と連携し5月30日、同市の国特別史跡・大宰府跡蔵司地区にニホンミツバチの巣箱2箱を設置した。
同法人は行政や企業と連携しミツバチの保護や環境保全活動を目的として2021年6月設立。この2年で福岡市内の洋菓子店「チョコレートショップ」(博多区)の屋上や福津市、糸島市の施設などに巣箱を設置し都市養蜂による緑化の普及を図るほか、文部科学省が設けた「土曜学習応援団」の登録団体としてミツバチを通じた環境教育の出前授業を展開する。太宰府市には同法人から連携を申し入れ、昨年3月から調整に入り1年かけて実現した。
場所は大宰府政庁跡西側の高台に位置する地区内の平たんな場所。設置したのは高さ約80センチの2つの巣箱で1箱に約4千匹のミツバチが生息し、半径2キロ内の梅などから密を集めてくるという。採密は春と秋の年2回で、市では史跡地内外の梅などから集めたミツバチを活用して新たな特産品を活用する社会実証実験としてスタートした。吉田理事長は「秋に2箱8キロの密が採れれば成功。ミツバチは社会性が強くおとなしい性格で基本的に自ら攻撃することはないが、刺害リスクから街なかの巣箱の設置は容易なことではない。ミツバチの生態を知ることで食物連鎖など環境問題に向き合うきっかけにもなる。都市養蜂を広めていきたい」と話している。