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海洋ごみ運搬ロボットを今年度中に実用化へ 九州職業能力開発大学校


週刊経済2023年4月25日発行

10月に実証実験

ものづくり産業に特化した教育プログラムを実施する九州職業能力開発大学校(北九州市小倉南区志井、近藤孝広校長)は海洋ごみを運搬するロボットを開発し、今年10月の実証実験を経て今年度中の実用化を目指している。
「海の宅配便」と名付けた同ロボットは、水中ダイバーが海中清掃した際にでるごみを川岸まで運搬させることを可能にしたもの。海洋ごみを約20キロ搭載できる。同大学校の地元でもある北九州市では、市をはじめ海洋環境団体などが海中清掃活動を通して海洋ごみの問題に取り組んでおり、昨年11月末に開催された「海のお掃除プラント&ロボット夢コンテスト2022」では、同大学校が開発した海ごみ運搬ロボが最優秀賞を獲得した。海洋汚染の浄化を目指すアイデアを小中高生、大学生から募るコンテストで、その技術力の高さが評価されて受賞に至った。昨年12月には小倉北区の紫川河口付近で試験運航を実施し、コントローラーで遠隔操作しながら海中ダイバーとの協働作業に取り組んだ。
同大学校では「国際問題となっている海洋ごみを減らすためのロボットを実用化することで、学生たちの社会貢献に対する意識を高めていきたい」と話している。