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大名ガーデンシティ、新ビルの一部が先行開業 積水ハウスなど


週刊経済2023年4月18日発行

オフィス入居率5割、キリンやミルボンなど

積水ハウス㈱(大阪市北区、仲井嘉浩社長)を中心に開発を進めてきた旧大名小跡地の新ビル、「福岡大名ガーデンシティ」は4月6日、一部のオフィス・店舗が先行開業した。
福岡市が推進する再開発プロジェクト、天神ビッグバンで最初期に発表された大規模プロジェクトの一つで、代表企業の積水ハウスのほか、西日本鉄道、西部ガス、西日本新聞社、福岡商事の5社が事業に参画。天神最高峰となる111mの高さや、当初から計画されていたハイクラスホテル「ザ・リッツ・カールトン」の九州初進出などが注目されてきた。この日開業したのはオフィスや店舗が入る「福岡大名ガーデンシティ・タワー」の一部。商業フロアには九州初進出となるイタリアのファッションブランド「ヌメロ・ヴェントゥーノ」をはじめとする3店舗がオープン。6月までに物販・飲食など計15店舗が開業予定となっている。オフィスフロアでは、1フロアの床面積2500㎡というエリア最大の広さが特徴で、BCP対応や災害対応、セキュリティなどで最新鋭のスペックを備える。ただ、コロナ禍や天神エリアの空室率上昇の影響もあり、オフィスフロアの入居率は5割程度に留まり、現在入居を明らかにしているのはキリンビールやヘアケア商品のミルボンなど。そのほか、全9室で最大430人収容の会議室エリア「大名カンファレンス」も開業した。
この日はメディア向け内覧会や基調講演が開催され、積水ハウスの竹下盛人福岡マンション事業部長は「施設の各機能が刺激しあうことでビジネスの好循環が生まれ、『この場所から何かが生まれる』と期待されるエリアを目指していく」と意気込みを語った。一方でオフィス市況の悪化によるテナント誘致の苦戦も認め「実際に内覧が可能になってから問い合わせも増えてきている。6月に予定するザ・リッツ・カールトンの開業を弾みに、さらにテナント入居が進んでいくと見ている」と見通しを語った。