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売上高は前期比16%増の5559億5500万円に 安川電機


週刊経済2023年4月18日発行

最終利益は36・1%増の527億6500万円

㈱安川電機(北九州市八幡西区黒崎白石、小川昌寛社長)の2022年2月期決算は、連結で売上高が前期比16%増の5559億5500万円、営業利益は同29・2%増の683億100万円、最終利益は同35%増の517億8300万円で増収増益だった。
製造業全般で高度化、自動化を目的とした設備投資が継続的に続く中、世界的にEV(電気自動車)化の加速によるリチウムイオン電池関連の需要拡大や、米国などでオイル・ガス関連の需要が大幅に増加した一方、半導体など長期化する部品の供給不足や中国のロックダウンによる生産制約の影響を受けたが、下期から部品の需給ひっ迫が緩和したことで生産が回復、好調な受注を売り上げにつなげて増収となった。利益面では原材料や物流費の高騰、インフレ対応に伴う間接費の増加に直面したものの、製品の価格転嫁による採算性の改善、円安の影響に加え、退職金制度の変更や遊休不動産の売却などの収益もあり、増益となった。売上高、利益ともに過去最高の実績。事業部門別の売上高はモーションコントロール事業が前年同期比10・9%増の2521億2600万円、ロボット事業が同25・3%増の2238億2900万円、システムエンジニアリング事業は同2・2%減の511億1100万円。物流サービス事業などその他の売上高は同38・3%増の288億8800万円。所在地別の売り上げ収益構成比は国内が前期比2ポイント減の29%だった一方、海外は2ポイント増の71%(米国21%、欧州15%、中国24%、中国を除くアジアが11%)。今期もEVやリチウムイオン電池関連をはじめ、製造業全般で自動化・省力化に関する設備投資が継続する見込みであることから、売上高は4・3%増の5800億円、営業利益は2・5%増の700億円、最終利益は微減の513億円を見込んでいる。
4月7日に本社で会見した小川社長は「現中計の最終年度である前期が増収増益となり、計画はほぼ達成できた」としながらも、「為替が円安に好転したことがプラスに効いたことなどが大きく、楽観的な数字とは見ていない」と講評した。