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IT業界の変革者へ新規事業で攻める独立系SIer

（写真左上）本社「ソフネット県庁口ビル」
（右上）若手も活躍できる環境

社会を支えるソフト・システムの構築で、創業から37年間実績を重ねてきた。福岡を中心に東京や大阪、札幌に拠点を展開している。堅実経営を続ける独立系SIer（システムインテグレーター）が、一昨年の新社長就任を機に、売上高倍増を目指す中期経営計画を策定。サイバーセキュリティ事業に参入し、新たな市場開拓に挑む。

売上倍増を目指す中期経営計画でサイバーセキュリティ事業が躍進

長年、金融や電力、交通、医療など社会インフラ周辺のシステム構築を手掛けてきた。社会に必要不可欠な事業を軸にすることで継続雇用を図り、景気に左右されない経営基盤を確立する。21年8月、創業者である父・勝彦氏の後を継ぎ、田中宏明氏が代表に就任。これを機に策定した中期経営計画で「新規事業参入」と「既存事業強化」による売上高倍増を目指す。
新規事業として取り組んだのがサイバーセキュリティ事業だ。田中社長は「セキュリティの甘い会社をのっとり、取引先のネットワークを経由して、大手を攻撃する手口が多発している。どの会社もエチケットとして対策をしておく必要性が高まっている」と狙いを語る。企業に最適なセキュリティ商材を組み合わせて提案し、導入から保守までをカバーする。米国などのIT強国が開発・日々進化させているサービスを、同社が月額のSaaS型で顧問としてつきながら「使いこなせる状態」になるようにサポートしていく。具体的にはSIEMを使って社内システムを監視し、違和感を検知すると報告するもので、夜間も問わない海外ハッカーの攻撃や内部者による情報漏えいを防ぐ。この事業のチームにはシリコンバレーのベンチャーに勤めていた経歴のあるIT人材などセキュリティのプロを揃えた。さらに、20年間他業界で営業力を磨いた田中社長が中心となって案件獲得に動き、その取引件数の多さから事業に参画したいと話す企業もいる。この「チームの質の高さ」を証明するものとして今年、サービス開発会社のexabeam社（米国）から「高い技術力と積極的な営業スタイルで複数の取引を成立させた」と評価され「Partner of the Year’22」を受賞。今後も、地場だけでなく全国の大手資本企業などをターゲット層に、市場開拓を加速していく。
同時並行で、既存のビジネスモデルの強化も図っていく。資格取得支援制度で難易度に応じて2万円～15万円を支給するなど「社員のスキルアップ向上で市場価値を高めるとともに、リソースの最適化で組織を筋肉質に生まれ変わらせる」と力を込める。

（写真上）社内研修 （下）昨年取引を開始したソフト開発のSky㈱から、事業の貢献度で感謝状が贈られた。 田中宏明ソフネット社長（左）と同社営業本部長（右）

「社長との距離の近さ」が入社の決め手に

銀行10年、保険10年の他業界で培った営業力と見識を持ち、さらに「意外にもこれまでの人脈がIT事業に生かされることが多い」という田中社長の新体制で走るソフネット。老舗SIerの安定感と新規事業に挑む積極性を併せ持つ2面性が、採用活動での差別化にもつながっている。文系、理系、スキルを問わず「人となり」を重視した選考で、最近は文系出身の新入社員をサイバーセキュリティ事業部に配属。また、数あるIT企業の中で同社に入社した決め手について「社長との距離の近さ」を挙げる若手社員も目立つ。実際、誕生月の5～6人を集め「誕生日会」などを定期で開催。人柄を深く知ることで、その社員の成長につながり顧客企業も喜ぶ人員配置を心がける。求める人材について田中社長は「上手くいかないことが多い連続でも、自分で自分の機嫌をとって前に進めるような人にぜひ来てほしい」と語る。

田中宏明 社長 たなか・ひろあき/福岡市出身。1978年9月11日生まれの44歳。弘学館高等学校―慶應義塾大学法学部卒。2001年福岡銀行入行。12年プルデンシャル生命保険㈱入社。21年8月㈱ソフネットの2代目社長に就任。趣味はゴルフと投資

採用情報
募集職種／プログラマ、システムエンジニア、セキュリティエンジニア
応募資格／大学（全学部・全学科）、短大、高専、専門学校の卒業予定者、既卒者も卒業後3年以内を目安に募集
採用実績／22年度7人
採用予定／6～10人
インターンシップ／23年から開始予定
年間休日／119日
問合せ先／TEL.092-643-7277
担当／総務　篠原

（ふくおか経済EX2023年）