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正晃ホールディングス(株)
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グループ1000億円突破高付加価値の新たなビジネスの具体化へ
学術研究・医療分野の総合試薬ディーラーから次なるビジネスモデル創出に向けて様々な取り組みを図る。5カ年計画でのグループ年商1000億円突破も前倒しで達成し、主要エリアの九州や首都圏、関西、北海道での地域密着のエリア戦略も加速。次なる目標に向けてサービスの強化、高付加価値の新たなビジネスの具体化が進む。
研究・開発の重要性が増す中主力の基礎・検査試薬に期待
検査の重要性やワクチン・治療薬の研究・開発など、一連の新型コロナ感染拡大に対応する流れは、医療・学術分野での研究・開発の重要性をこれまで以上に認識させる契機となった。印正哉社長は「with/afterコロナの時代に向けて、医療・学術分野では未知のウイルスや感染症の分析や研究がますます進むだろうし、治療薬やワクチン、そして検査薬の開発も加速すると思われる。当然、当社の主力である基礎研究試薬や検査用試薬のニーズが期待できる」と手ごたえを感じる。
正晃ホールディングスは、創業70余年の歴史を持つ日本最大の総合試薬ディーラー・正晃㈱(福岡市)を中核に、ライフサイエンスの専門総合商社・㈱バイオテック・ラボ(東京都)、試薬卸の㈱フロンティア・サイエンス(北海道石狩市)、竹内化学㈱(和歌山市)、医療分野でIT関連事業を展開する正晃テック㈱(福岡市)、不動産管理の正晃エステート㈱(福岡市)の6社が連なる。
2016年には持株会社制に本格移行し、学術研究・医療分野の総合試薬ディーラーから次なるビジネスモデル創出に向けて大きく動き出した。エリア展開についても九州一円から下関・山口までの地盤を固めるとともに、全国展開も見据えて北海道、首都圏、関西やアジア地区にも積極的に進出を図った。
(写真)レンタルラボ(上)。竹内化学新本社(下) |
高付加価値の新たなビジネスが具体化
2018年にスタートした5カ年経営計画も最終年度を迎える。グループ年商1000億円突破という大きな目標は3期目でクリアしたものの「あくまでも一過性の需要増によるものが多い。むしろ今後は『afterコロナ』を念頭に置きながらサービス内容を強化し、高付加価値の新たなビジネスを具体化していきたい」と気を引き締める。
実際、約3年前から本格化したレンタルラボは、技術系企業や研究者との連携の中でのビジネスモデル構築の拠点として注目を集めている。九州大学伊都キャンパス近くで計画が進む「元岡地区研究開発次世代拠点形成事業」においてもレンタルラボを開設する予定で、新たな研究拠点として期待される。
また、研究施設の移設・引越サポートも正晃ならではノウハウだ。大学病院や研究施設などには精密理化学機器や冷凍サンプルなど細心の注意が必要な物品が数多く、各種試薬や理化学機器を取り扱うプロの視点で、多くの移設・引越に携わってきた。今後も「研究室を、貸します 作ります 引っ越します」をキャッチフレーズに、顧客ニーズに合わせた事業展開を強化する。このほか、新設の正晃エステートではオフィスビルや賃貸マンション、月極駐車場など不動産事業展開の強化を図っていく。
ハード面では今春、HD傘下の竹内化学の新本社ビルが完成した。年商もM&Aの当時から倍増して約70億円と着実に伸びており、今後の関西エリア拡大の拠点として期待される。このほか、正晃沖縄支店でも新社屋の建設が進むほか、熊本営業所の新社屋建設も計画するなど、グループ内の拠点整備にも余念がない。
印 正哉 社長 いん・まさや/福岡市出身、1954年2月23日生まれの68歳。福岡大学商学部卒。趣味は車、カメラ、旅行 |
【DATA】
正晃ホールディングス㈱
所在地/〒813-0062 福岡市東区松島3-34-33
TEL/092-621-8199㈹
FAX/092-611-4415
設立/2015年4月
資本金/1,000万円
正晃㈱
所在地/〒813-0062 福岡市東区松島3-34-33
創業/1950年9月
設立/1955年3月
資本金/5,000万円
事業内容/基礎研究試薬、体外診断用医薬品、化学工業薬品、理化学機器、医療用機器等の販売、コンピュータおよび関連ソフトウェアの開発・販売
年商/623億円(2021年3月期)
従業員/約496人
URL/https://www.seikonet.co.jp
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(ふくおか経済EX2022年)