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ウクライナ侵攻1年、現地生徒を受け入れ 那珂川市など


週刊経済2023年3月7日発行

民間や個人と連携し1カ月間

那珂川市(武末茂喜市長)は、企業や支援者と協力しウクライナから避難してきた子どもたちを2月22日から1カ月間受け入れ開始した。
市内でカフェを営む結城辰輝さん夫妻が、交流のあるウクライナの避難民大学生から子どもたち受け入れを打診され、同市議会議員の松尾正貴氏に相談したところ、市内の通販会社㈱愛しとーと(那珂川市今光、岩本凌社長)が研修施設を滞在先として提供するなど支援が広がり実現した。
受け入れたのは現地で日本語などを学ぶキーウ市東洋語学校の10歳から15歳までの生徒8人と教師1人で身元保証人は結城さん。現地では子どもたちが勉強していた2つの建屋のうち1つが全焼(※ロシア攻撃によるものではなく侵攻1週間前に放火)、今年は冬季休暇が延長されるほか、都市のインフラ混乱により毎日4~6時間の電気が消され教育環境が整っていないことから、休暇を利用しホームステイ・プログラムの下で来日した。
学習支援では那珂川市立安徳南小学校で2月27日から3月15日まで受け入れ、空き教室(専用)を利用して引率の教師による授業を実施。音楽や英語など在校生とともに学べる教科や給食は通常教室で行い交流を図る。一行は2月22日福岡空港に到着し、23日愛しとーとの研修施設でウェルカムパーティーが開かれ、ロシアによるウクライナ侵攻から一年となった24日に那珂川市を表敬訪問、27日に初登校となった。教員のカルベン・ゾーヤさんは「現地では昼夜空襲警報が鳴り、子どもたちの精神状態が心配だった。1カ月間安心して過ごせることに心から感謝している」とあいさつし、子どもたちは「戦闘機以外の飛行機をみて平和を感じる」と通訳を介して話し、「ありがとう」「美味しい」「きれい」など覚えた日本語を披露した。武末市長は「那珂川市に来てくださりありがとう」とし岩本初恵CEOは「可愛い子どもたちに会えて幸せ。我が家も喜んでいる、困ったことがあったら何でも言ってください」と子どもたちを歓迎した。