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九州企業、「採用計画達せず」が前年比12ポイント増 九州生産性本部


週刊経済2023年3月7日発行

人事に関する実態調査結果

公益財団法人九州生産性本部(福岡市中央区渡辺通2丁目、酒見俊夫会長)は2月22日、九州企業の人事面における課題や取り組みの実態調査に関する調査結果を発表した。
同本部が2022年11月10~30日にウェブで実施した「人事部門の抱える課題とその取り組みの実態調査」の調査結果によるもので、同本部に所属する会員企業・団体を中心に225の組織から回答を得たもの。
2023年4月入社の新卒について「計画通り採用することができなかった」との回答が42%で、前年の調査と比較して12ポイント増加した。コロナ禍からの経済回復に伴う人手不足で採用競争が激化していることが要因にあげられる。全体的に新卒採用が計画に達しなかった企業が増加傾向で、その割合を従業員規模別にみると、300~1000人未満の企業が最も高く52%。次いで300人未満が40%だった。1000人以上の企業が30%にとどまっており、中堅・中小企業における採用の苦戦がうかがえる。
24年4月入社の新卒採用計画は、23年比で上積みか同程度との回答が計62%と、前年調査から4ポイント上昇した。今後重視したい人事戦略のキーワードを複数回答で聞いたところ「業務に必要な能力・スキルの向上」が65%で最も高く、「社員教育、リスキリング(学びなおし)」が53%だった。「離職防止、定着(リテンション)への施策」48%で、有能な人材の囲い込みへの関心が高まっているといえる。