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売上高は3・2%減の654億円で2期ぶり減収 第一交通産業第3四半期


週刊経済2023年3月7日発行

経常利益は倍増の22億円

第一交通産業㈱(北九州市小倉北区馬借2丁目、田中亮一郎社長)の2022年4~12月期連結決算は、売上高が前年比3・2%減の654億9600万円で2期ぶりの減収になったものの、経常利益が同約2・08倍の22億9千万円で2期連続の増益となった。
営業利益は同約8・6倍の13億6200万円、純利益は同約5倍の12億7700万円だった。主力のタクシー事業の売上高は同19・8%増の353億2200万円。観光地や大都市圏を中心に感染症拡大抑止に伴う外出自粛で需要の落ち込みが続くなか、まん延防止等重点措置の解除で行動制限がない状況が継続し、利用者が緩やかに回復した。国交省のコロナ対策の特例休車に伴う経費節減のほか、広範囲にわたる経費削減に取り組んで利益確保を見込んだものの、稼働の増加と燃料単価の上昇で燃料費が前年同期比で23・4%増加した結果、4億9400万円のセグメント損失(前年同期は16億5900万円の損失)となった。期間中のタクシー認可台数は、前年度末から80台増の8154台に増えた。ただ、このうち9台はタクシー特措法に基づく特定地域内で稼働できない状態(休車)で、576台がコロナ対策の特例休車。稼働可能な台数は7569台だった。なお、認可台数に含まれていない預かり減車212台は、将来UD車などで復活が可能となっている。
また、バス事業は沖縄県を中心に感染症拡大抑止に伴う外出自粛やインバウンド需要の落ち込みが続くなか、前年同期に比べて行動制限がない状況が継続し、大型イベントの再開などで輸送人員が増加。売上高は、同40・5%増の42億6千万円となった。国交省のコロナ対策の特例休車に伴う経費節減のほか、広範囲にわたる経費削減に取り組んだ結果、セグメント損失は5億9500万円(前年同期は12億1200万円の損失)となった。バス認可台数は前年度末から1台減の680台だが、コロナ対策の特例休車3台が含まれており、稼働可能な台数は677台となっている。
一方、不動産分譲事業の売上高は同21・3%減の173億87000万円で、セグメント利益は同35・1%減の9億8100万円。このうち分譲マンションの売上高は同22・2%減の128億6300万円で、戸建住宅の売上高は同27・7%減の21億500万円。賃貸事業の売上高は飲食ビルなどの入居率の回復で、同4・5%増の36億6100万円。セグメント利益は同3・9%増の18億1200万円だった。
不動産再生事業では大型開発物件の売却時期を第4四半期に繰り下げたため、戸建分譲地の売却などにとどまり、売上高は同78・1%減の13億8500万円、セグメント利益は同73・5%減の1億2300万円となった。金融事業では期中平均融資残高の減少幅の縮小が見え始めた結果、売上高は同3・4%減の6億8300万円で、セグメント利益は同26・2%減の2億2100万円となった。
通期では、売上高が同6・5%増の988億円、経常利益が同約2・44倍の40億円を見込んでいる。