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販売価格上昇で売上高7・5%増の244億円 鳥越製粉12月期
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週刊経済2023年2月21日発行
経常利益は25・1%増
製粉業大手の鳥越製粉㈱(福岡市博多区東比恵、鳥越徹社長)の2022年12月期連結決算は、売上高が前期比7・5%増の244億300万円、経常利益が同25・1%増の14億9600万円で増収増益だった。
主力の製粉事業では、業務用小麦の出荷数量は減少したが、4月に実施された輸入小麦尾政府売渡価格引き上げに伴う製品価格の値上げや、副産物のふすま販売価格が堅調に推移し、売上高が前期比14・1%増の105億3700万円と連結増収をけん引した。食品事業の売上高は、ミックス製品の出荷数量減少などで同1・2%減の71億2500万円となったが、精麦事業は販売価格の上昇などで、売上高は同3・6%増の51億5500万円。飼料事業も、原料価格高騰に伴う製品価格値上げに踏み切り、売上高は同26・4%増の15億4千万円と大幅増収となった。精麦・飼料事業については、完全子会社として鳥越精麦㈱を設立し、会社分割の方法で精麦・飼料事業を承継。さらにグループで精麦・飼料事業を営む連結子会社4社が実施する共同株式移転の方法により、中間持株会社である鳥越グレインホールディングス㈱を設立するなど、大幅に組織体制を刷新した。一方の利益面では、営業利益が同27・7%増の12億3200万円、純利益が同12・0%増の9億3100万円と、いずれも前年の水準を大きく上回っている。
今期の見通しでは、売上高は前期比13・7%増の277億5千万円、経常利益は同2・9%増の15億4千万円で増収増益を見込む。製品価格値上げや子会社の増収から増収増益予想ではあるものの、物価高等を背景に消費者の節約志向が一段と強まっていることから、業況は厳しさを増していると見ている。