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新市長に元厚労省の武内和久氏 北九州市長選


週刊経済2023年2月14日発行

北橋後継の津森氏に1万4千票差

任期満了に伴う北九州市長選挙が2月5日に即日開票され、無所属新人で元厚生労働省職員の武内和久氏が、自民党や立憲民主党、公明党、国民民主党などが推薦し、北橋健治市長の後継候補の津森洋介氏、共産党県常任委員の永田浩一氏、広告デザイン会社社長の清水宏晃氏ら3人を破り、初当選を果たした。
今期で不出馬を表明した現職・北橋氏を受け、16年ぶりに新たなトップ交代となる選挙。武内氏は昨年8月に市長選への出馬を表明。「衰退から発展へ 聖域なき北九州改革~“100万人都市の復活”、“稼げるまち”への挑戦」をキャッチフレーズに掲げ、政党や団体に頼らない「市民党」による選挙戦を展開。若者や高齢者など無党派層に加え、自民支持層らからの支持を集め、与野党や団体などから推薦を受け、北橋後継の津森氏に約1万4千票差をつけた。共産推薦の永田氏、会社社長の清水氏は支持の広がりを欠いた。
5日午後10時前に当選確実の第一報が報じられると、北九州市小倉北区京町の武内事務所では詰めかけた支援者らの歓声と拍手に包まれた。武内氏は「非常に厳しい選挙だったが、市民の皆さんのこの町を前に進めたいという思いが後押しした。北九州市なら必ずできる。力を合わせればいかなることもできることを証明した夜になった」と切り出し、「北九州が持つ力を発揮し、前に進めること。92万人の市民の力を結集し、次の時代の明るい北九州市を作っていこう」などと力強く述べた。
武内氏は福岡市出身。1971年4月19日生まれの52歳。久留米大学附設中・高校―東京大学法学部卒。94年に当時の厚生省入省。福祉人材確保対策室長。その後、アクセンチュアやマッキンゼーなど外資系コンサルティング会社に勤務。九州朝日放送の「シリタカ」、「アサデス」のレギュラーコメンテーターなどを務め、2019年の福岡県知事選に出馬、当時の小川洋氏に約95万票の大差で敗れた。
今回の投票率は38・5%で前回よりも5ポイント増だったものの、40%を切る結果となった。確定票数は次の通り▼武内和久 12万6839票=無新▼津森洋介 11万2614票=無新・自民、立憲民主、公明、国民民主推薦▼永田浩一 2万8336票=無新・共産▼清水宏晃 2万7788票=無新