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売上高は10・4%増の211億円 リックス中間期


週刊経済2022年11月29日発行

収益とも2ケタ台の伸び

福岡市博多区山王1丁目の機械商社・リックス㈱(安井卓社長)の2022年4~9月中間期連結決算は、売上高が対前期比10・4%増の211億7900万円、経常利益が同30・7%増の17億3400万円で、収益とも2ケタ台の伸びを示し増収増益となった。
営業利益は同23・9%増の14億1300万円、純利益は同29・9%増の11億7600万円だった。主要取引業界別の売上高では、鉄鋼業界向けの売上高が同4・4%増の59億4800万円。整備部門だけでなく操業部門への営業活動に注力した結果、グループ企業の製品のベアリング再生の売り上げが伸びたほか、コイルスキッドや圧延ロール、仮設水処理用レンタル品の増加が見られた。
自動車業界向けの売上高は同13・6%増の39億9100万円。CASE市場で注目されている電池やモーター分野への営業、提案活動に注力した結果、電池・モーター製造設備と付帯機器の販売とフィルター・電子部品の修理などが売上増に寄与した。電子・半導体業界向けの売上高は、同19・2%増の32億6100万円。修理・再生ビジネスに加え、現場、設備、保全部門に対して営業活動に注力した結果、半導体製造装置用シール材や消耗部材に加え、オリジナル品の湿式微粒化装置の販売やロータリージョイント類の販売が増加した。
ゴム・タイヤ業界向けの売上高は同7・2%減の12億4300万円。前期に続き開発案件のフォローや新規案件、設備投資に関する営業活動に注力した結果、タイヤ生産設備向けの治工具や水処理施設向けポンプの販売が増加したものの、ポンプの更新案件が縮小した落ち込みを埋めるまでには至らなかった。工作機械業界向けの売上高は、同33・4%増の12億1200万円。工作機械の複合化の要求に対応する多ポートのロータリージョイントの営業、開発に注力した結果、オリジナル製品のロータリージョイントのほか、渦巻ポンプや油水分離装置の売り上げが増えた。
高機能材業界向けでは医薬・化粧品分野の開拓に加え、フィルター販売にも注力した結果、NF膜ユニットの販売のほか、真空ポンプの補修案件などが売上増に寄与。売上高は同33・6%増の10億9800万円と伸びた。環境業界向けでは近年重要視されている環境産業、エネルギー産業への深耕に注力した結果、下水処理施設へのポンプの販売や排ガス処理工程へのフィルター類の販売、バイオマス発電向け伸縮継手や磁選機の販売などが売上増に寄与。売上高は同8・7%増の11億4700万円となった。
紙パルプ業界向けでは最先端のバイオマス素材のCNF分野やケミカル素材分野、エネルギー分野への商材開発に注力した結果、チラーユニットのレンタルなどで売り上げを伸ばしたものの、減速機修理案件の減少などの影響を受けた。売上高は同10・4%減の3億7800万円にとどまった。
通期の売上高は同9・8%増の439億円の見込みだが、経常利益と純利益については急激な円高に伴う為替差益の増加など予想を上回る営業外収益が発生した結果、当初予想を上方修正した。経常利益は当初予想を2億5千万円上回る同12・2%増の33億5千万円を見込んでいる。また、営業利益は当初予想通り同14・3%増の29億5千万円を見込み、純利益は1億5千万円上回る同9・7%増の22億5千万円に修正した。なお、期末配当についても当初予定から10円増額し60円とし、年間では前期を45円上回る110円になる見込み。