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12月に岩田産業の鳥栖新精米工場を稼働 岩田産業グループ


週刊経済2022年11月29日発行

約8億円を投じ

業務用総合食品卸などを展開する㈱岩田産業グループホールディングス(福岡市博多区諸岡3丁目、岩田陽男代表取締役会長兼CEO)は12月、佐賀県鳥栖市原町の岩田産業㈱鳥栖支店敷地内に約8億円を投じた同社米穀事業部の精米工場を稼働する。
これまで精米工場は岩田産業久留米支店隣地にあったが、2度にわたる集中豪雨で床上浸水する被害に遭ったのを機に、支店機能と米穀事業部の鳥栖移転を進め、昨年6月に鳥栖支店を開設していた。新精米工場は同支店の敷地約9千㎡のうち約4千㎡を充て、HACCP対応の衛生管理を充実させた工場環境に最新式の無洗米機を加え、万全の品質管理体制で安全・安心な精米を提供する。精米生産能力は年間1万トンで、うち無洗米は年間4500トン。この無洗米を強みに飲食店や外食チェーン、病院給食、スーパー惣菜向けなどへの提案に力を入れ、売上高30億円を目指す。
同社の無洗米の特長は、水洗い式の最新機種によって少量の水で肌ぬかを落とす低圧力加工の高品質な商品。無洗米は炊く前に洗わずに済むため、炊飯における労力を抑え、人件費や水道費を低減できる商品として、予算や用途に合った無洗米を提案していく。また、新精米工場の屋根には太陽光パネルを設置し約40%の電力を賄うほか、洗米時に出る栄養豊富な洗米副生水、いわゆる「とぎ汁」を家畜用液体飼料として有効利用するなど、環境に配慮した取り組みを推進するほか、「見せる工場」として見学コースも設置。岩田会長は「小学生など子どもたちの食育の一環としても見学に来てもらえれば」と話している。
岩田産業グループホールディングスは1971年4月創業、2016年3月設立。資本金は5千万円。従業員は1867人(パート・アルバイト含む)。業務用総合食品卸の岩田産業を中核に酒類卸や青果卸、精米事業、宅配ピザクック事業などを展開。22年2月期の連結売上高は317億4500万円。前中期経営計画では新型コロナの影響を受けたものの、今年度からの第7次中計では鳥栖精米工場や鹿児島支店新築移転など設備投資を継続し、M&A戦略の加速や新規事業開発で最終の24年度連結売上高は450億円を目指している。