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伝統工芸品導入への補助金制度を開始 福岡県


週刊経済2022年11月22日発行

初の取り組み

福岡県では、福岡への観光客(ビジネス客含む)が訪れる宿泊施設、オフィスビル、店舗などのエントランス空間に「福岡の伝統工芸品」を導入することへの補助金制度を今年度から開始しており、対象となる事業者を公募している。
「福岡の伝統工芸品」を中心とした「おもてなし空間創出事業費補助金」と題し、県としては初の取り組み。生活の洋風化、職人の高齢化や後継者不足によって伝統工芸品の生産額が低下していることを背景に、県内の伝統工芸品のさらなる振興策として工芸品の購入、導入経費の一部を補助するもの。
施設のエントランス空間に福岡の伝統工芸品を導入することに加え、内装や建築工事の部材に伝統工芸品を使用する場合も補助対象となる。工芸品の購入、設置などの場合は対象経費の2分の1を補助(下限50万、上限100万円、最低でも100万円以上の購入、または設置費用が必要)。また建物などの内装や部材に工芸品を導入する場合は1施設あたり上限1千万円で、対象経費の2分の1を補助する。
補助金交付の対象者は県内に宿泊施設やオフィスブルなどを建てる施主(県外も可)と、施主の同意を得た設計事業者、施行事業者など。工芸品を内装に導入することへの補助は公募を締め切ったが、工芸品の購入、設置にかかる補助については12月末まで公募を受け付けている。対象となる県内の伝統工芸品は、「経済産業大臣指定伝統的工芸品」である博多織、博多人形、久留米絣、小石原焼、上野焼、八女福島仏壇、八女提灯の全7品目と、「福岡県知事指定特産民工芸品」の全36品目。
県商工部観光局観光政策課物産振興係は「職人の手が加わる伝統工芸品が空間にあることで温かみが生まれる。インテリアとしてのニーズ掘り起こしに寄与できれば」と話している。