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売上高は3・8%増の425億円で3期ぶりの黒字転換 第一交通産業中間期


週刊経済2022年11月22日発行

バス・タクシー利用客は緩やかに回復

第一交通産業㈱(北九州市小倉北区馬借2丁目、田中亮一郎社長)の2022年4~9月中間連結決算は、売上高が対前期比3・8%増の425億8700万円、経常利益が14億1900万円となり、3期ぶりに黒字転換した。
前期は6億9500万円の損失を計上した営業利益は7億400万円、同じく4億6500万円の損失だった純利益は8億5600万円で3期ぶりの黒字となった。主力のタクシー事業では観光地や大都市圏を中心に感染症拡大抑止に伴う外出自粛で需要の落ち込みが続くなか、前年同期に比べてまん延防止等重点措置の解除で行動制限がない状況が継続し、利用者が穏やかに回復。売上高は同28・5%増の227億7400万円となった。セグメント利益は利益確保を見込んだものの、稼働の増加と燃料単価の上昇で燃料費が同40・7%増の5億7千万円に増加したため、4億4200万円の損失となった。沖縄地区の占める割合が高いバス事業は感染症拡大抑止に伴う外出自粛やインバウンド需要が続くなか、対前期比では行動制限がない状況が継続し、大型イベントの再開など輸送人員が増加。売上高は同41・9%増の24億8100万円となった。セグメント損失は5億8900万円となったものの、前年同期の9億6400万円の損失から改善した。
不動産分譲事業は新規販売を開始し、契約数も順調に推移したものの、完成引渡しが第4四半期に集中している結果、プロジェクト用地の売却などを加えた売上高は同14・8%減の122億9700万円。セグメント利益は同17・6%減の8億1300万円。不動産賃貸事業の売上高は飲食ビルなどの入居率の回復で、同4・9%増の24億3700万円。セグメント利益は、同5・2%増の12億2千万円。また、不動産再生事業では前年同期に東京都港区新橋のオフィスビルの大型物件の売却などに比し、戸建分譲地の売却などにとどまり、売上高は同87・7%減の3億3200万円、セグメント利益は同97・4%減の600万円となった。金融事業は期中平均融資残高の減少幅の縮小が見え始めた結果、売上高は同1・6%減の4億4600万円、セグメント利益は同9・2%減の2億1900万円となった。
今期の通期売上高見込みは前期比6・5%増の988億円、経常利益は同約2・44倍の40億円を見込んでいる。