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福岡中央銀行と経営統合で基本合意 ふくおかフィナンシャルグループ


週刊経済2022年11月22日発行

来年10月めどに子会社化

㈱ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市中央区大手門1丁目、五島久社長)は11月11日、㈱福岡中央銀行(同区大名2丁目、荒木英二頭取)との経営統合に関する基本合意書締結を発表した。
低金利や異業種参入による競争激化など、地域金融機関にとって厳しい経営環境が続いていることや、人口減少や少子高齢化といった構造的課題、社会構造の変化や地政学リスクの高まりといった状況を踏まえ、経営統合実現に向けた協議・検討を進めていくことを決めた。福岡中央銀行は、FFGの信用力や資本力、デジタルチャネルといった資源を活用するほか、本部機能集約や銀行事務の共同化、共通業務のFFGへの委託など、効率化による生産性向上を図る。福岡銀行が強みを持つ大・中堅企業から中小企業に加え、福岡中央銀行の顧客にはさらに小口分散化された中小企業や個人事業主が多いことを踏まえ、FFGはグループ全体の顧客層拡大を見込む。統合に向けては「統合準備委員会」を設置して協議を実施。来年3月の両社取締役会決議と最終契約締結、同年6月の定時株主総会を経て、同年10月1日付の完全子会社化を予定している。合併や基幹システムの統合、大規模な店舗統廃合などの予定はないという。
同日に開いた会見で、五島社長は「両社の経営資源や強みを生かして、幅広いお客さまの課題解決に取り組むことが福岡経済の持続的発展に貢献できると判断した。経営統合により両社のお客さまとのリレーションを掛け合わせ、FFGは名実ともに、大企業から中小企業まで全セグメントをカバーできる。人的な融合はこれからだが、ダイバーシティの観点からも、新しい風を吹き込んでいきたい」、荒木頭取は「現時点では堅実経営を続けているが、将来にわたり多様化・高度化するニーズに対応していくためには、FFGの資源を活用した効率化やデジタル投資が必要だと考え、8月に打診した。経営基盤強化とともにデジタル化や効率化を進め、生じた経営資源をお客さまとのリレーション強化に振り向けることで、中小企業専門金融機関としての役割をさらに進化させたい」と話した。