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9月、DX人材の育成プログラム始動へ 九州DX推進コンソーシアム


週刊経済2022年8月2日発行

実際にDX推進計画立案

地元産学官で構成するDX推進組織、九州DX推進コンソーシアム(発起人・九州経済連合会、九州大学、デロイトトーマツグループ、福岡県)は9月から、第一弾の事業としてDX人材の育成プログラムをスタートする。
同コンソーシアムは昨年11月設立。今年6月に第一回会合を開催し、重点的に取り組む6つのワーキンググループを設定したばかり。ただ、人材育成ワーキンググループ(リーダー・福岡県)が取り組む同人材育成プログラムについては、昨年12月の県補正予算で成立した新規事業「福岡県中小企業DX人材育成事業」(委託先・デロイトトーマツグループ)の一環として、昨年末から検討を開始していたため、先行して事業を始動する。同プログラムでは、中小企業向けの「中核人材」(定員50人)と、企業等へのDX推進をサポートする「支援人材」(同10人)の2分野のデジタル人材育成を目指す。まず「中核人材」については、県内中小企業内の経営者やDX担当者などで一定レベル以上のデジタルリテラシーを持つ人材を育てるもので、自社のDX推進計画を企画立案し、実際に推進できる人材を育てるのが目標。一方の「支援人材」は、商工会議所の経営指導員や産業支援機関の相談員、顧客のDX推進の提案などを担う金融機関職員などを対象に、外部の目線で地域企業の課題を抽出し、改善に向けたアドバイスができる人材を育成する。
研修内容を見ていくと、まずは受講者のレベルに応じたeラーニングによる講座を受講し、確認テストを実施。基礎的な知識を身に付けた後は、ワークショップを通じてDX企画立案や具体事例について学ぶほか、アクションプランの策定に向けた演習を行う。研修後半に入ると、各社の状況に応じた講師による個別指導・伴走支援にシフトし、自社で実践できるアクションプランを実際に策定する。期間は9月から来年2月までの約半年を予定しており、受講後もアクションプランの実施状況等を確認し、成果を検証していく。
デロイトトーマツグループの担当者は、「知識の習得に留まらず、研修を通じて実際に企業のDX推進にまで踏み込む実践的なプログラムが特徴」と話し、「是非、DXを検討する経営者自身に受講してほしい」と呼びかけている。