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営業収益は23・4%増の4271億円 西日本鉄道


週刊経済2022年6月14日発行

国際物流事業の取扱高増加などで増収増益

西日本鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目、林田浩一社長)の2022年3月期連結決算は、売上高にあたる営業収益が前期比23・4%増の4271億5900万円、営業利益が104億5100万円(前期は95億100万円の損失)、経常利益が139億5300万円(前期は96億3900万円の損失)と増収増益となった。
鉄道事業、バス事業、ホテル事業、福岡国際空港といった主な事業は一時的に持ち直しの動きもあったが、新型コロナ感染症再拡大の影響などで総じて非常に厳しい状況で推移したものの、物流業の国際物流事業での輸出入取扱高増加や不動産業の住宅事業での分譲マンション販売戸数増加に加えて、運輸業やレジャー・サービス業で感染症の影響を大きく受けた前期からの反動やコスト抑制の継続で増収増益となった。経常利益は、持分法適用会社の福岡国際空港㈱における持分法による投資損失の減少などでV字回復。当期純利益は98億7300万円(前期は120億7400万円の損失)と大幅な増益だった。
事業別では、運輸業は旅客人員が前年からは回復したことや運賃施策・ICポイント施策の見直しで、営業収益が6・8%増の638億5700万円、営業損益が46億9900万円の損失(前期は118億3800万円の損失)と赤字幅が縮小した。不動産業は分譲マンション販売戸数増加のほか、賃貸事業での商業施設の賃貸収入回復などで、営業収益が14・1%増の740億9800万円、営業利益が12・1%増の81億5800万円。流通業はストア事業での収益認識会計基準等の適用に伴い代理人として関与した取引について営業収益を純額とした影響や、巣ごもり需要の反動減などで、営業収益が9・7%減の687億3600万円、営業利益がストア事業での粗利率の低下や販促費の増加などで40・8%減の6億2900万円。
物流業は国際物流事業の取扱高増加で、営業収益が67・1%増の1861億6800万円、営業利益が3倍の114億8200万円と大幅な増収増益。レジャー・サービス業はホテル事業の稼働が前期からは回復し増収となったほか、娯楽事業での遊園地「かしいかえん シルバニアガーデン」の営業終了に伴う特需などで増収となり、営業収益が7・8%増の212億300万円、営業損益が66億2500万円の損失(前期は106億3300万円の損失)となった。その他の事業は、収益認識会計基準等の適用に伴い代理人として関与した取引について営業収益を純額とした影響などで、営業収益が17・3%減の301億4600万円となり、金属リサイクル事業での鉄スクラップ相場等の上昇による粗利の増加などで営業利益が54・9%増の17億800万円。
今期は国際物流事業で仕入れ価格の落ち着きに伴う販売価格の低下を見込む一方で、ワクチン接種の普及による活動制限の緩和などで鉄道事業、バス事業の旅客人員やホテル事業の宿泊人員の増加を見込み、営業収益が前期比1・6%増の4341億円、営業利益が51・2%増の158億円、経常利益が3・9%増の145億円、当期純利益が26・1%減の73億円を見込んでいる。