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JR九州代表の企業グループが優先交渉権 福岡市の油山リニューアル事業


週刊経済2022年4月5日発行

スノーピークなどが参画

福岡市が昨年11月から公募していた「油山市民の森」「油山牧場」リニューアル事業の事業者公募について、3月28日にJR九州(福岡市博多区、青柳俊彦社長)を代表とする企業グループが優先交渉権者に決定した。
グループにはアウトドアメーカー大手の㈱スノーピーク(新潟県三条市)をはじめ、登山アプリ開発ベンチャーの㈱ヤマップ(福岡市博多区)、不動産開発やブランディング等の㈱ローカルデベロップメントラボ(福岡市中央区)など9社が参画。プランの基本方針や運営体制、資金調達計画や事業収支計画、地球環境への配慮など、大部分の項目で高い評価を受け、次点の大和リース㈱福岡支社を代表とするグループを抑えて優先交渉権を獲得した。リニューアルオープンは2023年度を予定する。
油山市民の森はキャンプ場やアスレチック、自然観察センターなどを有する自然体験施設で、1969年に開園。面積は約93・7ha。利用者はピーク時の1979年には年42万人に上ったが、近年は年18万人前後で推移していた。油山牧場は1973年に市内酪農家の子牛を育てる「公共育性牧場」として開場し、96年に動物と触れ合える「観光牧場」としての機能を加え再整備。利用者数はピーク時の97年は年53万人だったが、近年も年36万人前後の安定的な集客力を持つスポットとして運営されてきた。近年は施設の老朽化、多様化する市民ニーズへの対応、両施設の連携不足などが課題となっており、民間活力を導入した事業スキーム、公募型プロポーザル方式で再整備を目指す方針を打ち出していた。