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未来のモビリティ社会の一翼を担う存在に

（写真左上）23年12月発売の「ミニキャブEV」
（左下）KMG スカイパーキング（福岡市博多区博多駅東3丁目）
（右上）電動キックボード「Free Mile atico」（左）と歩道を走れるスクーター「WHILL Model S」
（右中段）2023-24デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー受賞「デリカミニ」
（右下）「TEAM すりーだいや」

九州北部・中部エリアの三菱、スズキ系の自動車販売会社9社で構成、西日本最大級のディーラーとして九州５県で約80店舗を展開する。近年は、モビリティサービスへの進出や土地・建物を活用した新ビジネスなど事業の多角化を推進。人材育成との両輪で企業価値の持続的向上に取り組む。

自動車販売の枠を超えて

KMGホールディングスは、2024年4月にスタートした3カ年新中期経営計画に、『バリューチェーンによる収益確大』、『ソリューション事業強化推進』、『持続的成長を支える人材／人員採用と育成』を盛り込み、規模の大小に関係なく新規事業に挑戦する商社的な機能をもった企業への成長戦略を描く。
21年2月、8階建て新本社ビル「Yakuin3」の竣工を機に、不動産事業を本格化させ博多駅東瑞穂交差点の「KMG スカイパーキング」では1階をスカイレンタカー店舗、2～6階を月極・時間貸し駐車場として運営している。また、外壁にはデジタルサイネージを設置するなど、不動産事業のみならずレンタカー事業、屋外広告事業を進めている。
近年取り扱いを始めた、歩道を走れる次世代型電動車椅子や電動キックボードは最終目的地までのちょっとした距離「ラストワンマイル」をシームレスにつなぐ移動手段としてシニア層から若年層までの新たな需要を掘り起こす。「移動の自由や楽しさが今後のモビリティ業界の発展のカギを握る」と牟田社長が強調するように、自動車分野にとらわれず、未来のモビリティ社会に向けた事業を打ち立てる。
今年4月からは電気自動車（EV）やプラグインハイブリッド車（PHEV）などの大容量バッテリーを家庭用電源として活用するシステム「V2H」の販売も全店舗で開始する。エネルギー活用のトータルアドバイザーとしての役割を担いながら、23年12月に発売した新型軽商用「ミニキャブEV」など環境配慮型自動車の拡販にもつなげていく。

社員のチャレンジを強力サポート

売り手市場が続く新卒採用では、ここ数年、百人単位での積極採用を目標に掲げ、その受け皿として、働く環境の整備に力を注ぐ。近年、学生が企業選びのポイントとして重要視する新人研修においては、マナー研修から、商品知識、ロールプレイングへとステップアップ方式で進める3カ月間の手厚い研修を実施。また、整備部門では最新鋭の機器、工具を備えた「サービスアカデミー」を筑前町に構え、経験年数や担当業務に合わせて年間百数十回の研修を実施するなど人材育成に積極投資する。
さらに、社内に女性活躍推進室を設置、定期的に女性社員の会議を開催している。会議では悩みを共有し、アイデアを出し合い交流を深めるなど、女性が働きやすい職場づくりを目指して活動している。本社2階ショールームでは女性スタッフを中心に構成される「TEAM すりーだいや」が店舗企画から運営まで担うなど個々に活躍できる場を用意し、女性就業率の割合も20％超えと年々増加している。また、企業スポーツにも力を入れており、昨秋は同社の硬式野球部とサッカー部が同時に全国大会へ出場した。競技活動と並行して選手が仕事でもキャリアアップできる体制を整える。
社会的役割として、新車・中古車の販売台数から換算した寄付金を積み立ててグループエリアの九州5県に毎年贈呈する交通遺児基金寄付や、災害時に電動車両を提供する自治体連携も強固にし、地域に根付いた活動で信頼の輪を広げる同社。未来のモビリティ社会の一翼を担う存在として視野を広く持ち、歩みを進める。

牟田弘昭　社長 むた・ひろあき／佐賀県出身。1957年11月11日生まれの66歳。1978年7月九州三菱自動車販売佐賀支店入社。2013年6月執行役員兼佐賀支店長、15年6月上級執行役員兼グループ経理副本部長、17年6月KMGホールディングス取締役兼グループ経理本部長、19年6月九州三菱自動車常務取締役兼グループ経理本部長、21年6月常務取締役兼営業統括本部長、22年6月から九州三菱自動車代表取締役社長兼営業統括本部長を務める。趣味はゴルフと読書

採用情報
募集職種／営業・自動車整備
応募資格／2025年3月大学・専門・高校卒業予定者、既卒3年以内も可
採用実績／2024年度70人
採用予定／140人程度
問合せ先／TEL.092-707-0590
担当／小川、加藤

（ふくおか経済EX2024年）