(株)リンクイット

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リアル店舗とWebの相乗効果を高め福岡発のブランドを全国へ

婦人服ブランド「ブージュルード」を軸に企画製造、小売り、卸販売まで一貫して手掛ける㈱リンクイット。実店舗は大型ショッピングモールのテナントに出店し、北海道から沖縄まで直営32店舗、FC31店舗を展開。日常使いのカジュアルなものから上品で落ち着いたものまでトータルコーディネートできる豊富な品ぞろえが支持を集めている。

EC売上比率50%目指す

努める同社は、ここ数年でEC事業が全体売り上げの約30％を占めるまでに伸長。本社内EC部門の撮影スタジオの拡張、東京都渋谷区に事務所兼用の通販商品の撮影スタジオを開設するなど環境整備に余念がない。また、ブージュルードの公式アプリではWeb店舗とリアル店舗で共通ポイントが貯まるシステムを構築。年間の購入金額に応じて会員ステージもランクアップし、顧客満足度のさらなる向上につながっている。森社長は「いかに顧客をリアル店舗からEC販売に誘導できるかが鍵。将来的には展示会をWeb上でもできる仕組みを整えたい」と展望する。2022年7月期決算でEC部門の売上比率50％を目指す。
一方、新ブランドの「Bab（バブ）」や「ミーサ&リーナ」はSNSを有効活用し、フォロワーが順調に増えている。今後も幅広い世代に支持される商品を企画し、福岡発のブランドを全国に発信し続ける。

事業を通じてSDGｓに貢献

新たな取り組みとして、子会社のリバースウェアハウス㈱が博多区千代1丁目の「ブランチ博多パピヨンガーデン」に「オフプライスストア」を昨年にオープン。これはパートナー企業の協力のもと、さまざまな理由により販売期間を過ぎた衣類在庫を1カ所に集め、年中バーゲン価格で販売するもの。同形態での出店は九州初となり、多くの反響を集めた。衣類のほか、マスクや消毒液など生活雑貨も豊富に取り扱うことで幅広い客層を取り込んでいる。1号店に続き、沖縄にブージュルードとの複合店舗、糟屋郡志免町にもFC1号店を出店。「軌道に乗せるにはまだまだ時間が必要」と森社長。今後はサステナブルな意識を持ち、業界で課題となっている商品ロス問題にも向き合っていく。

製造から販売まで一貫

一人一人の自己実現を支援 　部署異動は社内募集と人事アンケートを毎年実施し、20代でデザイナーやバイヤーになるケースもある。森社長は「社歴に関係なく手を挙げた社員の意思を尊重し、社員がそれぞれのキャリアプランを描くことで皆が長く働ける職場環境になることが理想。また、トップダウンではなくボトムアップを大切に、常に現場から出てくるさまざまな声やアイデアに耳を傾けながら今後も皆で良いものを生み出していきたい」と語る。毎年夏に開催される社員表彰式「リンクイットアワード」や顧客の声を商品開発に生かす「モニター会」など社内イベントも活発で、社員の働くモチベーションにつながっている。
また、従業員の9割が女性の同社では産休、育休制度を整え、取得を推奨しており、全社員約280人のうち、現在約20人が産休・育休中という。育児休暇後もキャリアアップできる復帰前面談はもちろん、通常の有給とは別に子どもの急病などに合わせて取得できる年5日の「子ども休み」なども設けている。また、学校が休校になった際に、子どもと一緒に出社できる環境も同社ならでは。来店客は子連れも多いため、同じ目線で接客し商品を企画することができる子育て経験者の存在は同社にとっても重要といえる。

森 健太郎 社長 もり・けんたろう／八女市出身。１９７３年５月２４日生まれの４７歳。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」や横山光輝の「三国志」に影響され、将来は海外を渡り歩く人になりたいと思いを抱き、弘学館高校-長崎大学を卒業後、北九州の貿易会社に入社。そこでアパレル部門を担当したことをきっかけに、２０００年７月に創業メンバー７人でアパレル卸の㈱ジェイエーシートレーディング（現・リンクイット）を立ち上げた。趣味は海釣り

【ＤＡＴＡ】
所在地／〒812-0015 福岡市博多区山王1-2-30
TEL／092-432-8133
FAX／092-432-8132
設立／2000年7月
資本金／1,000万円
年商／54億円（20年7月期）
従業員／279人
出先／東京支店（東京都渋谷区千駄ヶ谷3-24-4タケウチビル2階）、大阪支店（大阪市中央区森ノ宮中央2-4-6エミネンス亀井ビル3階）、国内63店舗（うちFC31店舗）
URL／https://linkitall.jp/

採用情報
募集職種／販売職・営業職
応募資格／2022年3月大学卒業予定者、高卒・既卒も可
採用実績／2021年度22人
採用予定／15人程度
問合わせ先／TEL.092-432-8133
担当／小山（こやま）

（ふくおか経済EX2021年）