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産学官のDX推進コンソーシアム設立 九州経済連合会など4者  


週刊経済2021年12月7日発行

デジタル人材 成、DX推進で連携

一般社団法人九州経済連合会(福岡市中央区渡辺通2丁目、倉富純男会長)と国立大学法人九州大学(同市西区元岡、石橋達朗総長)、福岡県(服部誠太郎知事)、デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、永田高士CEO)は11月30日、福岡県をはじめとする九州の社会経済活動全般のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を図る産学官金の共同事業体「九州DX推進コンソーシアム」を設立した。
政府が今年6月18日に閣議決定した「成長戦略フォローアップ」、「まち・ひと・しごと創生基本方針2021」、「経済財政運営と改革の基本方針2021」のもと、地方からデジタルの実装を進めることで地方と都市の差を縮めていく「デジタル田園都市国家構想」の実現に動き出していることを受けて設立。活動の柱は、地域でのデジタル人材育成、企業へのDX導入支援、地域課題解決に向けたDX推進など。コンソーシアムに参画する企業や団体でワーキンググループを設置し、事業を進めていく。今後は九州内の企業や地方自治体、大学などに参画を呼びかけ、まずは年度内に、県内を中心とした10社~20社体制を目指す。
倉富会長は「九経連が創立60周年の節目に発表した『九州将来ビジョン2030』で目指す〝成長と心の豊かさ〟実現のキーとなるのが、ビッグデータの活用やMaaSなどのDX。挑戦の風を九州から吹かせ、日本を元気にしたい」、石橋総長は「本学は、世界最高水準の教育・研究を目指す国立大学法人を文部科学省が指定する『指定国立大学』となった。DXは、社会的課題の解決とそれによる社会・経済システムの変革に貢献する大学を目指す『九州大学ビジョン2030』実現への柱となり、コンソーシアムの取り組みも本学の目指す姿に合致する。関係の皆さまと連携し、推進していく」と話した。服部知事は「新型コロナのパンデミックで、わが国はデジタル化の遅れを痛感することとなった。その先にあるDXは地域活性化にも有効な方策で、自治体も本気で取り組む必要がある。県としてもDXを推進しているが、特に県経済の発展の原動力である中小企業のデジタル人材育成が必要だと認識している。企業ごとの事業内容などに精通した上で、システムを使いこなすことができる人材の育成を目指す」と意気込みを語った。今年、福岡市にデジタル人材育成の拠点を開設したデロイト トーマツグループ西日本エリア統括の磯俣克平さんは「ここ20年間のデジタル競争力の低下は、国家課題となっている。地域のデジタル化を推進していく上でも、グローバルの情報を含め、知見をフルに活用し、福岡・九州の経済発展に貢献したい」と方針を語った。