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負債総額が前年同月比約4・1倍の74億円 帝国データバンク福岡支店


週刊経済2021年10月5日発行

県内企業倒産集計8月

帝国データバンク福岡支店(福岡市中央区舞鶴)が取りまとめた福岡県の8月の企業倒産集計は、倒産件数が前年同月比8・7%減(2件減)の21件と3カ月連続で前年同月を下回った。負債総額は同312・5%増の74億800万円で2カ月ぶりに前年同月を上回った。負債総額が50億円を上回るのは2021年3月以来、5カ月ぶり。
業種別では、サービス業(6件、構成比28・6%)が最多。前年同月との比較では、卸売業(4件、前年同月比100・0%増)など3業種で増加。小売業(4件、同33・3%減)、サービス業(6件、同25・0%減)など4業種で減少した。地域別では、福岡地区が11件(前年同月比37・5%増)、北九州・筑豊地区が5件(同16・7%減)、筑後地区が5件(同150・0%増)の発生となった。
福岡県の8月の企業倒産件数は、3カ月連続で前年同月を下回り、依然として政府や金融機関の支援策の効果が継続していることがうかがえる。しかし、長期化するコロナ禍のなか、飲食店を始めとするサービス業では度重なる緊急事態宣言の発出と延長による影響から事業継続を断念する企業が増加している。“自粛疲れ”を背景として若年層を中心に政府や自治体からの要請を守らないケースも散見され、8月の新規感染者数の抑制は1度目の緊急事態宣言と比べると鈍化した。新たに、新規変異株への懸念も出てきており、コロナ禍収束の見込みが立たない状況で、「新型コロナ関連倒産」の件数は緩やかに増加していくことが考えられる。倒産までには至ってないものの、コロナ禍の影響で過剰債務を抱える企業は増えており、引き続き動向に注視が必要だ。