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薬王寺温泉・快生館をインキュベーション施設に 古賀市


週刊経済2021年8月17日発行

8月下旬に運営事業者決定、10月オープン

古賀市(田辺一城市長)は10月、同市薬王寺の温泉旅館「快生館」を改装したインキュベーション施設をオープンする。
昨年5月から休業している同館を市が借り受け、サテライトオフィスやシェアオフィス等として整備・活用することで、新ビジネス創出や創業、市内への移住・定住を促す取り組み。建物は3階建てで、延べ床面積約1500㎡。国の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用し、約5千万円をかけて改装、6月末で第1期工事が完了した。1階の宴会場は12席のコワーキングスペースに、2階の客室は2人~10人程度収容のオフィス6室に改装。既存の客室を利用し、ドミトリー4室も設ける。別棟には大浴場があり、施設利用者向けの提供を想定している。サテライトオフィス等への誘致業務は、全国で企業誘致やマッチングイベントなどの実績を持つ㈱あわえ(徳島県海部郡美波町、吉田基晴社長)に委託している。また、国の「地方創生テレワーク交付金」を活用し、市外からの進出企業・団体に最大100万円を交付する「サテライトオフィス等進出支援金」、インキュベーション施設に必要となるビジネス支援事業者向けに、進出にかかる経費やオフィス賃料などを補助する「インキュベーション促進事業補助金」といった助成制度も策定中。施設の運営事業者は公募型プロポーザル方式で選考しており、8月下旬に契約締結、10月の開業を予定している。
田辺市長は「テレワークの浸透など、働き方に対する考えが多様化する中で、自然に囲まれた快適なワークスペースを提案する。イベントなどを通じて薬王寺温泉エリアの施設や地元の事業者、店舗、地域住民との交流を図り、相乗効果で地域活性化につなげたい」と話している。