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博多区祇園町に「西鉄ホテルクルーム」の国内3店舗目 西日本鉄道


週刊経済2021年8月10日発行

地下鉄七隈線新駅そばに2023年春開業

西日本鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目、林田浩一社長)は9月、同区祇園町に「西鉄ホテルクルーム」ブランドの3店舗目を着工し、2023年春に開業する。
コロナ禍でホテル事業は厳しい経営状況が続くが、ウィズコロナ・ポストコロナを見据えたホテル開発を継続することで今後も事業拡大を図る一環。新ホテルは福岡市地下鉄七隈線櫛田神社前駅(新駅)から徒歩1分の場所に立地し、大型商業施設キャナルシティ博多や中洲をはじめ、天神や博多駅にも近接したエリアに位置する。宿泊施設としてだけでなく、仕事場や交流・くつろぎの場としての機能を兼ね備えることで「サードプレイス(第三の居場所)」を提供し、ビジネス・観光など多様な需要を取り込むとともに、地域コミュニティの形成に貢献していく方針。
「西鉄ホテルクルーム博多祇園(仮称)」は、はかた駅前通りから北側に抜ける瓦町通りの入り口そばに立地。敷地面積は1596㎡。建物は地上13階建てで、延べ床面積は8006㎡。1階が大浴場、交流スペース、2階がフロントロビー、ラウンジ(朝食会場)、3~13階が客室となっている。客室数は計275室で、カップルや家族など複数での需要に対応するため、ダブル132室、ツイン55室、ダブル(滞在型)66室を中心に、トリプル11室のほか、グループで初となるフォース11室で構成。滞在型客室(ダブル)では、ミニキッチンや洗濯乾燥機、電子レンジなどを設置し、中長期出張者やワーケーションなどの多種多様なニーズに応える。また、2階のロビー・ラウンジでは地元の食材を使った朝食を提供するほか、朝食時間帯以外は宿泊者や来街者が気軽に利用できるワーキングスペースやカフェとしての活用できるようにするほか、1階には来街者も利用できる飲食スペースや文化体験スペースを設ける。ウィズコロナ・ポストコロナを見据えた取り組みとしては、共用部に自動チェックイン機やロボット掃除機、エレベーターなどでの非接触インターフェースの導入を計画しているという。

23年夏、タイ・バンコクに2店舗目のホテル

また、同社は2023年夏、タイ王国バンコクに2店舗目となるホテルを開業する。
ホテル事業において収益基盤の拡大や西鉄ブランドの価値向上を目的に、福岡との往来が多くビジネス・観光需要が高いエリアを中心に海外展開する一環。アジアで最も外国人観光客が多い都市であり、日本人渡航客も多いタイ・バンコクにはすでに昨年5月、「ソラリア西鉄ホテルバンコク」を開業しており、新型コロナウイルス収束後の需要回復を見込み、同エリアに2店舗目のホテルを開業するもの。新ホテルはバンコク最大のオフィス集積エリアであるシーロム地区の中心部に位置する。同地区には日系企業が多数進出しているほか、アジア最大級の繁華街に至近しており、ビジネス・観光共に需要が見込める。ビジネス客をメインターゲットとした新ホテル開業でソラリア西鉄ホテルバンコクとのシナジー効果と顧客層の拡大を図る。
新ホテルはBTS(高架鉄道)サラデーン駅から徒歩1分、MRT(地下鉄)シーロム駅から徒歩5分と交通アクセスに優れている。敷地面積は2114㎡。建物は地下1階・地上8階建てで、延べ床面積は9965㎡。フロア構成は1階がフロントロビー、ラウンジ、地下1階が朝食会場、2~8階が客室で3、4階の一部にフィットネスジム(吹き抜け)を設ける。客室数はダブルとツインをメインに全5タイプ193室。そのうち18室(ダブル14室とエグゼクティブ4室)は中長期の連泊に対応した滞在型客室で、ミニキッチンや電子レンジ、洗濯乾燥機等を備えている。このほか、邦人客はもちろん、タイ国内外からの宿泊者にも快適に利用してもらうため、日本食を提供する朝食会場の設置、日本のテレビ番組の放映、全室に洗浄機付トイレを完備するほか、フィットネスジムを設置する。