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創業融資実績は3千件超、融資額148億円 日本公庫福岡支店


週刊経済2021年7月6日発行

事業継続資金として活用

㈱日本政策金融公庫福岡支店(福岡市博多区博多駅前3丁目、中谷正一支店長)は6月23日、北九州地区4県(福岡・佐賀・長崎・大分)における2020年度創業融資(創業期前および創業後1年以内)実績は、前年度比59・9%増の3048件、融資額は同55・9%の148億円となったことを明らかにした。
融資先内訳では、「創業前」融資が前年度比29・3%減の930件と減少したものの、「創業後1年以内」融資が同約3・5倍の2118件と大幅に増加し、実績全体を押し上げた。コロナ禍が長期化の様相を見せる中で創業準備者の多くが創業計画の見直しや延期を余儀なくされた一方、コロナ禍以前に創業した事業者は経営環境の変化で事業が軌道に乗るまでの期間が長期化。資金需要が高まったことが一因とされている。
業種別にみると、小売業やサービス業など一般消費者向け業種(飲食店、宿泊業を除く)は昨年2月以降、対前年比で90%程度の水準で回復しているが、「コロナ禍の影響が大きい飲食店・宿泊業の戻りは鈍く、こうした業種が従前の水準まで回復するにはまだ時間を要すると考えられる」(福岡創業支援センター)としている。

ソーシャルビジネス関連融資は134億円

また、同支店は同日付で北九州地区4県における2020年度ソーシャルビジネス関連融資実績で、実績件数が前年度比32・2%増の1244件、融資額が同221・8%増の134億円となったことを明らかにした。
同支店国民生活事業福岡創業支援センターでは、地方公共団体および地域金融機関、NPO支援機関などと連携し、ソーシャルビジネスの担い手が抱える経営課題の解決を支援するネットワークを全国で構築。当期特に新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者を対象にソーシャルビジネス関連融資が急伸した。中でも介護・福祉事業者向けの融資実績は前年度比167・3%増の1153件、融資額は同274・7%増の128億円と急増した。なお、NPO法人の融資実績は同174・3%増の129件、融資額は同14億2400万円となっている。
ソーシャルビジネス支援資金の融資限度額は別枠7200万円(うち運転資金は4800万円)、返済期間は設備資金が20年以内(うち据置期間2年以内)、運転資金が7年以内(同2年以内)、利率は基準利率となっている。