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倒産14件で4月としては過去最少 帝国データバンク福岡支店


週刊経済2021年6月1日発行

福岡県の企業倒産集計4月

帝国データバンク福岡支店(福岡市中央区舞鶴)がまとめた福岡県の4月の企業倒産件数は、前年同月比44・0%減(11件減)の14件と10カ月連続で前年同月を下回った。4月の件数としては2000年4月(14件)と並んで過去最少。負債総額は同44・1%増の22億4800万円と、2カ月連続で前年同月を上回った。
業種別では、サービス業(6件、構成比42・9%)が最多となった。以下、建設業(4件、同28・6%)、卸売業(2件、同14・3%)、製造業、運輸・通信業(各1件、同各7・1%)が続いた。小売業は2018年2月以来、4年2カ月ぶりに倒産が発生しなかった。前年同月との比較では、製造業(1件、同7・1%)、サービス業など5業種で減少し、前年から増加したのは、卸売業(2件、同14・3%)のみ。地域別では、福岡地区が10件(前年同月比137・5%減)、北九州・筑豊地区が2件(同60・0%減)、筑後地区が2件(同増減なし)となった。
福岡県の4月の企業倒産件数は、14件中6件(構成比42・9%)を新型コロナ関連倒産が占めた。前月は23件中8件(同34・8%)だったため、コロナ関連倒産が占める割合は増加傾向にある。件数自体は増加していないものの、近時の倒産のトレンドがコロナ関連倒産に移りつつあることが指摘できる。今後は、3度目の緊急事態宣言の発出により、飲食店をはじめとするサービス業が受けるダメージはさらに深刻化することが予想される。現状、コロナ関連融資などは借り入れの返済猶予措置を受けることができるといった柔軟な対応によって倒産のリスクは抑えられている。しかし、先行きが不透明ななか、事業継続を断念する“リタイア型”の廃業や倒産が増える可能性は高く、政府や自治体の支援次第で倒産件数も増減することが考えられるため引き続き注視する必要がある。

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