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初の社長交代、新規事業開発に力点 ウチヤマHD山本社長


週刊経済2021年5月25日発行

「表紙の人」インタビュー抜粋

グループで介護事業やカラオケ店などを展開する東証一部上場企業、㈱ウチヤマホールでイングス(北九州市小倉北区熊本)は4月1日、創業以来初となる社長交代で山本武博専務が新社長に就任。ふくおか経済6月号「表紙の人」では、山本新社長に新任の抱負やポストコロナを見据えた戦略を聞いた。以下、インタビューを抜粋。
―4月1日付で新社長に就任した。創業以来初の社長交代だそうだが、就任の抱負について。
山本 全国的にコロナ禍が猛威を振るう中で、当社のカラオケ事業や飲食事業も大きな痛手を受けている。そうした会社の行く末を左右するような重要な局面で、創業者の内山から社長のバトンを手渡され、責任の重さに身が引き締まる思い。
―今年は創業50周年の節目だ。
山本 それを意識した社長交代ではないが、やはり感慨深いものがある。半世紀という節目を機に、会社として新たな一歩を踏み出していかなければならないと感じた。時代の流れを見極め、今まで以上に社会に必要とされる会社を目指していきたい。
―前期決算(21年3月期連結)は、売上高が前期比21・5%減の237億9000万円、経常損益が6億1600万円の赤字となるなど、厳しい業績となった。
山本 主力の介護事業の売上高は前期比5・0%増と堅調だったが、カラオケ事業は同53・6%減、飲食事業は同72・6%減と大幅に業績が落ちた。理由はもちろん、コロナ禍に伴う休業要請や時短要請、外出自粛要請が直撃した形。
―そうした中で、今後収益の伸長に向けた戦略は。
山本 コロナ禍克服の見通しが立たない中、介護需要は堅調なので、ここを軸に成長を目指さなければならない。今年も関東を中心に4件の新規開設を計画している。また、新規事業開発に力点を置いていく。介護事業と親和性が高い、高齢者向けのヘルスケア事業や、介護施設入居者の生きがいや尊厳と最後まで向き合う「終末介護」などの事業化を検討している。