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“修正”第15次中計を策定 西日本鉄道


週刊経済2021年4月20日発行

聖域なき構造改革と新常態下での成長戦略推進

西日本鉄道㈱(以下西鉄、福岡市博多区博多駅前3丁目、林田浩一社長)は、2019年度~21年度の中期経営計画を1年間延長した“修正”第15次中期経営計画を策定した。
修正中計では、ウィズコロナ・ポストコロナの環境変化を踏まえ、「筋肉質でサスティナブルな企業グループへの変革“ニューノーマルにおける西鉄ブランドの価値追求”」をテーマに、聖域なき構造改革とニューノーマル下での成長戦略を着実に推し進める。4カ年の設備投資額は、当初中計3カ年比26億円減の1124億円を計画。22年度の連結業績は売上高にあたる営業収益が19年度比1・4%増の3950億円、事業利益(営業利益+事業投資に伴う受取配当金・持分法投資損益)が同6・3%減の135億円(いずれも会計基準の影響を補正したベース)を目指す。構造改革においては、新型コロナの影響を強く受けたレジャー・サービス業を中心に、回復の見込みが立たない赤字事業からの撤退を進めるとともに、従来の需要が戻らない前提での事業モデル変革に取り組む。具体的にはホテル事業で西鉄イン心斎橋の閉鎖・売却、西鉄旅行個人向け事業の整理・縮小、娯楽事業で「かしいかえんシルバニアガーデン」の閉園と跡地利用検討、飲食事業で不採算店舗の閉鎖に踏み切る。
一方、福ビル街区建替プロジェクトをはじめとした福岡都心の大型開発プロジェクトを着実に推進するほか、沿線主要拠点の開発や交通ネットワークの強化に引き続き努める。また、住宅事業やストア事業、国際物流事業、海外事業(住宅・収益不動産)を積極的に展開し、グループ全体の収益拡大を牽引させる。さらに21~22年度のデジタル投資は、19~20年度比1・85倍の計63億円を実施。デジタル化・新技術を活用した顧客視点での商品・サービスの再構築を全事業で進めるとともに、生産性向上や業務効率化に取り組む。「西鉄グループDX・ICT委員会」を設置し、グループ全体のDX推進やICT統制を強化する。また、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル達成」に向けた取り組みなど、ESG・SDGs視点での社会課題の解決に資する取り組みも強化。林田社長を議長とする「ESG推進会議」を設置する。